カテゴリ:Eponyms( 2 )


"Eponyms"シリーズの第二回。

結構面白いです。


「Campbell's Sign」

「COPD患者で、吸気時に気管(甲状軟骨)が下方に移動するサイン」
="Tracheal tug"

・元々低い位置にある横隔膜が、吸気時にさらに下がることで起こるとCampbell氏は説明しています。
[Campbell, E.J.M.(1958). The Respiratory Muscles and the Mechanics of Breathing. Lloyd-Luke, London., Campbell EJ. Physical signs of diffuse airways obstruction and lung distention. Thorax 1969;24:1-3.]

・この所見の診断精度に関する報告がありました
The Accuracy of Patient History, Wheezing, and Laryngeal Measurements in Diagnosing Obstructive Airway Disease
[JAMA. 2000;283:1853-1857]
 詳細は本文を見て頂ければ良いと思いますので、結果だけ。
 気道閉塞性疾患の診断においては、喘鳴や気管の下方移動に重きを置くべきではない
 →以下の4つの症状・サインが大切
   ①COPDの病歴の自己申告
   ②喫煙歴(40pack-years以上で可能性高い)
   ③年齢(45歳以上で可能性高い)
   ④呼気時の喉頭の高さ(4cm以上で可能性高い)

*ちなみに、同じTracheal tugでも「Oliver's Sign」というのがあります。これは心臓の収縮期に輪状軟骨が下方に移動するサインで、大動脈弓の動脈瘤がある患者で認められるものです。
by tobbyK | 2009-04-01 23:58 | Eponyms

"Eponym"=「由来」。

呼吸器疾患にまつわる、「〇〇サイン」、「〇〇クライテリア」、「〇〇症候群」、、、などの名称の由来を時々調べるシリーズです。
「Medical Eponyms for iPhone OS」を見ていて、ちょっと調べてみようという気になりました。

では第一回目。

「Allen's sign」

「肺塞栓では、発熱・頻脈・頻呼吸が揃って認められるのは23%のみである」

・ARTHUR W. ALLEN(Massachusetts General Hospitalの外科医)が1946~1948年あたりに、外科手術後を中心とした入院患者における、深部静脈血栓症と肺塞栓症の頻度や予防法について調べて報告している。
[Venous thrombosis and pulmonary embolism, J.A.M.A., 1947,133: 1268., Bull N Y Acad Med. 1946 Apr;22(4):169-184.など]

→原文を手に入れることができなかったが、おそらくこれらの仕事で得られた知見と思われる

・これらを引用している論文には、以下の記載あり
 説明のつかないspike fever・頻脈・頻呼吸があった場合、足を調べなさい
 =DVT、肺塞栓を疑え

・その後の検討から
 [Am J Med. 2007 Oct;120(10):871-9., NEJM. 2006 Jun 1;354(22):2317-27.]
 肺塞栓の症状;
  息切れ(73 percent):数秒~数分以内に発症するものがほとんど
  胸膜痛(44 percent)
  咳(34 percent)
  枕2個分以上の起坐呼吸(28 percent)
  下腿もしくは大腿の疼痛(44 percent)
  下腿もしくは大腿の腫脹(41 percent)
  喘鳴(21 percent)

 肺塞栓の他覚所見
  頻呼吸(54 percent)
  頻脈(24 percent)
  ラ音(18 percent)
  呼吸音減弱(17 percent)
  肺性Ⅱ音の亢進(15 percent)
  頚静脈の拡大(14 percent)
  ショックは稀(8 percent)



覚えておくとカッコつけることが出来るかもしれない、、、ですね。
by tobbyK | 2009-03-31 15:57 | Eponyms