2008年 10月 15日 ( 1 )

「Dダイマーは感度が高いので、陰性ならPEはまず除外して良いと思います」
良く聞くフレーズですね。
PE・DVT診断におけるDダイマーの感度は95%以上・特異度は25~60%くらいと報告されています。(測定法は色々、Am J Respir Crit Care Med 1999; 160:1043.など)
ゆえに“SnOut SpIn”の話で、感度が高い検査の例として良く出てきます。
でも、clinical probabilityの高い人では、Dダイマーを信じてはいけないとも言われています。(J Thromb Haemost 2005; 3:2465-2470)
しかし、ERでDダイマーが比較的簡単にオーダーできるようになった現在、clinical probabilityよりもDダイマーに重きを置いてしまう傾向が世界中にあるようです。

The Importance of Clinical Probability Assessment in Interpreting a Normal d-Dimer in Patients With Suspected Pulmonary Embolism
CHEST 2008; 134:789-793
Leiden University(アムステルダム、オランダ)

Background
・d-dimer testはpulmonary embolism (PE)が疑われる患者で広く用いられている。
・では、d-dimer正常の場合はどうだろうか?

Materials and Methods
・臨床的にPEが疑われた1,722例。
・このうちd-dimer正常例(563例)において、3ヶ月間のPEとvenous thromboembolism(VTE)発症率を調べた。
 →Wells criteriaを用い、臨床的に疑わしい例と疑わしくない例に分けて検討。
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Results
・3ヶ月間でのVTE・PEの発生率:
 全体・・・2.3%(95%CI, 1.4~3.9%)
 ①PEらしくない群(Wells criteria≦4) n=477例
   5例=1.1%(95%CI, 0.4~2.4%)
   *2例は初診時にPEと診断され、残りの3例はフォローアップ中にVTEと診断された。
 ②PEらしい群(Wells criteria>4) n=86例
   8例=9.3%(95%CI, 4.8~17.3%)
   *全例がPEと診断された。
     うち7例は初診時に診断され、残りの1例はフォローアップ中に診断された。
 ⇒両群のVTE・PE発症率には有意差あり(p<0.001)

Conclusion
・clinical probabilityは重要である。まずこれを検討し、その後にd-dimerを考慮する。
 ⇒Dダイマー正常だからと言って、臨床状況を無視してはならない。

Dダイマーの正常値と同じくらい、Wells criteriaも覚るべきですね。
脳細胞1個1個を貴重に思う年齢になってきたので、カンペにしておこう・・・

〇本日のサッカー
ところでサッカー日本代表、ウズベキスタンと引き分けのようですね。
フランスW杯、コンサドーレ札幌、横浜マリノスでやってきた岡田監督のサッカーは大嫌いでしたが、まだ戦術がはっきりしていたように思います。今はなにがやりたいのかよく分かりません。
オシム監督の時、1人がボールを持ったら3~4人が一斉に走り出していたのが、もう遠い昔の様です。あの頃は夢があったなぁ・・・。そういえば一度オシムを間近で見たことがあります。長身の男前でした。
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