2008年 10月 08日 ( 1 )

Understanding Potential Long-Term Impacts on Function with Tiotropium (UPLIFT)、とうとうpaperがでました。

A 4-Year Trial of Tiotropium in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
N Engl J Med 2008;359:1543-54.
*ケアネットドットコムのERS2008速報も参照*

【UPLIFT試験の目的】
チオトロピウム(18μg)がCOPD患者におけるFEV1の経年的低下速度を減少させることができるか?

【UPLIFT試験概要】
実施医療機関 国内 12施設
世界(37カ国) 約600施設
目標症例数
・国内 100例 チオトロピウム群 50例/プラセボ群 50例
・世界 6,000例 チオトロピウム群 3,000例/プラセボ群 3,000例
試験期間 4年間
試験方法 無作為化二重盲検並行群間プラセボ対照比較
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【主要評価項目】
・トラフ FEV1*の経年的低下量
・治療薬投与後90分後のFEV1 の経年的低下量
*トラフFEV1とは、治療薬の前回の投与から約24時間後に測定した治療薬投与直前のFEV1。
【副次的評価項目】
・ 有効性評価項目
(1) その他の呼吸機能
(2) 増悪(入院回数・日数など)
(3) 健康関連QOL
・ 安全性評価項目
(1) すべての有害事象
(2) すべての原因による死亡患者数
(3) 呼吸器疾患による死亡患者数

【選択基準】
1. 被験者登録前にICH-GCPに基づいた文書による同意が得られた患者
2. 男女とも年齢40歳以上の患者
3. 10 pack-years以上の累積喫煙歴を有する現喫煙者あるいは前喫煙者
4. COPDと診断され、以下の基準を満たす患者
スクリーニング検査日(Visit 1)および治療薬投与開始日(Visit 2)の気管支拡張薬投与後のFEV1の予測値に対する割合(% FEV1 )が70%以下、かつ1秒率( FEV1 /FVC)が70%以下の患者
5. 治療薬投与開始前6週間,呼吸器疾患の治療が安定している患者
6. HandiHaler®による治療薬吸入が可能な患者
7. 呼吸機能検査が実施可能でプロトコールを遵守できる患者

☆特徴☆
1.抗コリン薬以外の全ての治療薬OKの「realさ」
2.最大規模
3.日本の参加

【結果】
■主要評価項目
・トラフ FEV1の経年的低下量・治療薬投与後90分後のFEV1 の経年的低下量
=呼吸機能低下速度:有意差なし

■副次的評価項目
・FEV1とFVCがチオトロピウム群で常に(4年間)高い
→QOLの改善につながると考えられる
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・健康関連QOLの低下や増悪に関しても、チオトロピウム群で常に(4年間)良い結果。
・死亡率:チオトロピウムで総死亡率が有意に低下
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*ERSではこう発表したようだが、NEJMでは全ての死亡についてはHR 0.89(95%CI 0.79-1.02), p=0.09で有意差なし。
☆GOLDステージIIの患者に対するサブ解析(ERSで報告したらしい。本文詳しく読んでないのであしからず):
呼吸機能の低下速度がチオトロピウム群で有意に改善していた→ガーン・・・詳細は?
LABA/ICS非投与患者のみのサブ解析でも、チオトロピウムはFEV1低下を有意に抑制

☆最近のメタアナリシスで、抗コリン薬がCOPD患者の心血管系副作用リスクを増加させると報告されたが・・・
→今回の結果では、心疾患や脳卒中などに関してチオトロピウムによる有意なリスク増大はみられず、むしろ心筋梗塞などに関してはリスクが低下。呼吸不全を30%程度減少させている点も重要。
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【COPDの自然歴】(ERSではこう言ったらしい)
今回のデータをみると、FEV1の低下速度は重症患者より中等症患者でより大きかった。
→ステージIIの患者でチオトロピウムが呼吸機能低下を有意に抑制したことから考えると、
より早期からの薬剤介入が大事・・・らしい。

感想:微妙・・・

- 追記 -
きちんと計算していませんが、死亡や急性増悪を対象とした場合、Number needed to treet (NNT)はおそらく3桁になると思われます。
むむむ・・・ですが、FVCが良くてQOLが良ければ良いか・・・とも。
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by tobbyK | 2008-10-08 17:32 | COPD