【JW】胸部エコーで胸水の良悪性判断

東京の病院で胸部エコーの勉強もさせてもらいました。非常に勉強になりました。
一般臨床に戻ったら、これで何かスタディをやりたいなぁと思っていたのですが、Thoraxのe-pub.に面白い論文が出ていました。

Thoracic Ultrasound in the diagnosis of Malignant Pleural Effusion
Thorax 2008のe-pub. (オックスフォード、英国)

Background
・悪性胸水は臨床上遭遇することが多い。
・胸部エコー(thoracic ultrasound:TUS)は、胸水の有無については有用である。
・しかし、胸水の良悪性判断に関する有用性は検討されていない。

Prupose
・胸部エコーで胸水の良悪性判別の精度を検討

Materials and Methods
・悪性胸水が疑われる52例でTUSと造影CT施行
・TUSでの評価項目
①胸膜;「以前のCTによる胸膜評価の論文を参考にした」とのこと
 *ここが不明。おそらくこんな感じ(Monaldi Arch Chest Dis. 2005 Mar;63(1):17-22.参照)
 1) pleural nodularity
 2) rind…胸膜への何らかの浸潤のことか
 3) mediastinal pleural involvement…これはエコーでは無理
 4) pleural thickening greater than 1 cm
②横隔膜の厚みとnodularity
③胸水の量
④右側胸水の場合、hepatic metastasisの有無
→臨床データ・その他の検査結果を参照せずに、TUSで良悪を判断した
 *実際にTUSを施行せず、TUSの録画画像のみで他の検者も判断を行った

Results
・患者の確定診断
 悪性 33例
  病理・細胞診で確定:30/33(91%)
  臨床診断(臨床データ+造影CTフォロー):3/33 (9%) 
 良性 19例
  全例で、病理・細胞診で陰性+12ヶ月以上のフォローで診断

・TUSの有効性
 悪性の診断率:26/33(79.8%)
           sensitivity 73%, specificity 100%,
           PPV 100%, NPV 79%
 
 良性の診断率:19/19(100%)

→悪性の可能性が高い所見は、
 Pleural thickening >1cm
 Pleural nodularity
 Diaphragmatic thickening >7mm


Conclusion
・TUSは、胸水の良悪性判断に良いツール

すぐ日常臨床に応用できそうです。
Thoraxは好きな雑誌です。
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