【JW】gefitinib投与のタイミング

イレッサ投与のタイミングは生命予後に影響するのか?
先がいいのか?後がいいのか?
EGFR mutataionとの兼ね合いは?
僕がよく分かっていなかった事について、論文が出ていました。

First- or Second-line Therapy with Gefitinib Produces Equal Survival in Non–Small Cell Lung Cancer
Am J Respir Crit Care Med Vol 178. pp 847–853, 2008 (台湾)

Background
・Gefitinib(イレッサ)はepidermal growth factor receptor (EGFR) mutationのあるnon–small cell lung cancer (NSCLC)に対し効果が高い。
・gefitinibの反応性が高いEGFR mutationは、exon 19のdeletionとexon 21のL858R。

Prupose
・gefitinib投与のタイミングによる影響を検討
・exon 19 deletionもしくはexon 21 L858Rを持つNSCLC患者で、gefitinibを異なるタイミングで投与している群のアウトカムを比較する。

Materials and Methods
・National Taiwan University Hospitalにて、EGFR mutationのあるNSCLC患者の臨床データと遺伝子検査の結果を検討。
・gefitinibを投与されたstageⅢBもしくはⅣのNSCLC患者328例;
⇒192例がEGFR mutationあり、そのうち
  ①exon 19 deletions 77例
  ②exon 21のL858R 75例
  合計152例
⇒初回治療(1st line)でgefitinibを投与された群(91例)
  2nd line以降にgefitinibを投与された群(61例)
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                             *クリックで拡大
Results
・全体で、
 gefitinibへのresponse rateは67.1%(1st line: 75.8%, 2nd line以降:54.1%)
 median overall survivalは16.1ヶ月
・両群での、gefitinibへの反応性に関する検討
⇒gefitinibへの反応性に影響した因子
  1st lineでのgefitinib投与(P=0.006)、女性(P=0.053)
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抗腫瘍薬投与開始後のoverall survival、 gefitinib投与開始後のprogression-free survivalは両群で有意差なし (P=0.207 and 0.804)
「gefitinibに反応したこと(Responderであること)」がoverall survival良好の因子 (P=0.001)
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Conclusion
・EGFR mutationのあるNSCLCではgefitinibは効果がある
・1st lineでの投与の方が、gefitinibへの反応性が高い。
 ⇔でも、2nd line以降で使用した群とoverall survivalの差はない

過去にも類似の検討はありますが、EGFR mutationの種類まで限定したものはこれくらいかなと思います。日常臨床上、応用しやすい情報かと思います。
「初回イレッサでresponse rateが高い」、「イレッサへのresponse rateが高いことが、予後良好因子」という結果だけ見ると、初回イレッサが良いのでは?という気になります。しかし、今回はprospective studyではないので、投与のタイミングは医師に任されいて分類の基準が明確でない、治療内容のcross-overの影響があるなど、いろいろな因子が絡んでいると思われます。
リアルな感じはします。

福岡の師匠が、高齢者への1st lineでのイレッサ投与の論文を書かれましたので紹介します。スバラシイ!おめでとうございます!!
A Phase II Trial of Gefitinib Monotherapy in Chemotherapy-Naive Patients of 75 Years or Older with Advanced Non-small Cell Lung Cancer
J Thorac Oncol. 2008 Oct;3(10):1166-71.

自分の論文を急がねば・・・
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