人気ブログランキング | 話題のタグを見る

functional lung recruitment


ALI/ARDSの人工呼吸中にDLCOを測定する論文。
アブストだけで本文を読めていないのですが、やり方を知りたい・・・

Positive end-expiratory pressure-induced functional recruitment in patients with acute respiratory distress syndrome
Critical Care Medicine 2010; 38(1): 127-132.


目的: ARDSでは、肺胞のリクルートメントによりガス交換が改善するが、それはリクルートメントされた肺胞領域の循環が適当である場合のみである。(⇒これを “functional recruitment”と呼んでいる)。PEEPによる“functional recruitment”を評価するため、ガス交換能をDLCOで計測し、またその一部であるVc(肺毛細血管容量)を計測した。

Design: Prospective, randomized, crossover study.

Setting: Medical intensive care unit of a university hospital.

症例: 16例のALI/ARDS患者、8例の人工呼吸管理下にある対象患者、8例の健常ボランティア

介入: 2つのレベルのPEEPによるMechanical ventilation (5 and 15 cm H2O)

測定項目: DLCO、肺容量、血液ガス分析、圧-容量曲線(p-v curves)

結果:
・ALI/ARDS症例において、high PEEPで、DLCOが23%増加(4.4±1.7 ml・mmHg/min vs. 3.6±1.4 ml・mmHg/min)
 ⇒PEEPを増加させる事で、8例が20%以上のDLCO改善を認めた(=responderとした)
 ⇔残り8例は、PEEP増加によるDLCO改善は5%未満であった(=non-responder)
 *control patientsでは5.5 [3.8-8.0]ml・mmHg/min、healthy volunteersでは19.6 [15.1-20.6]ml・mmHg/min  (median [interquartile range])

・responderはnon-responderと比較し、
 low PEEPの時に、responderは肺容量が小さく、肺容量/肺毛細血管容量比が高い
 lower inflection pointが高い
 high PEEP時の肺毛細血管用量の増加が大きい        
 responderでのみ、high PEEPでPaO2/Fio2が改善した

結論: ALI/ARDS患者では、PEEPに対する“functional response”は、「肺が小さく、肺毛細血管/肺容量比が高い患者」において良好である。DLCO計測は“functional lung recruitment”に有用である。

効果的なrecruitmentでなければ意味がなく、
それは「PEEPで膨らめる“正常肺”があるかどうか」ということだと思いました。
呼吸生理、特に今回使用した検査法についてもっと勉強したくなりました。
しかし、「8例の健常ボランティア」って・・・スゴイ。
いずれちゃんと本文を読もう。



- 徒然 -

遅ればせながら、名作と名高い、よしながふみの「大奥」を2巻まで読みました。

この方の作品は、「きのう何食べた?」で晩御飯のおかず作り方を学んだことはありましたが、それだけしか読んだことがありませんでした。

久しぶりにマンガで衝撃を受けました。
こんな作品を書く人だったのですね・・・