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小児喘息発作時のステロイドと、「その人」


小児の喘息発作時の全身ステロイド投与について簡単なレビューがありました。
Use of dexamethasone and prednisone in acute asthma exacerbations in pediatric patients
Can Fam Physician Vol. 55, No. 7, July 2009, pp.704 - 706


 ・喘息発作時の短期間全身投与は、Cochrane reviewによれば安全性が高く有効
 ・経口・静注の投与法による差はない
 ・デキサメサゾンとプレドニゾロンの差も大きくはない

β刺激薬吸入・インタール吸入・テオフィリン点滴 → 動悸・嘔吐・喘息発作は収まらず・・・
という小児を、過去救急外来でたくさん見てきました。

小児喘息治療の現状はどんなものか勉強不足なのですが、
いつか小児科の先生と一緒に喘息に関する仕事をしたいな、と思っています。





 「その人」

AM7時00分に病院に着くと、
その人は仮眠室のベッドで白衣のまま寝ていた。
夜中に90歳の誤嚥性肺炎の患者さんが急変したらしい。

AM7時30分にむくっと起きて、
病棟で指示を出し、
その後カンファレンスを始める。

AM8時30分からは外来。
その人の外来日は毎日だ。
今日も予約患者だけで40人。

PM1時30分から、
外来の合間を縫って気管支鏡をする。
空腹はお菓子で紛らわす。

PM3時くらいに、
やっと外来が終わる。
新規入院は出来るだけ若手に振ったが、
その人の受け持ちも2人増えている。
さあ、病棟回診。

PM5時から、
胸部CTを研修医に教えながら読影する。
この病院には放射線科医が1人しかいないから、
読影所見は呼吸器内科でつけている。

PM5時30分になった。
今日は当直だ。
その人は40代半ばだが、当直は月に3~4回ある。

PM6時、
早速救急外来から呼び出される。
意識障害の患者が救急搬送されて来たらしい。
病棟からも「患者さんの家族が病状説明を希望している」とコールが。
・・・今日も長い夜になりそうだ。

PM11時、
医局で講演会のスライドを作成する。
若手向けの勉強会の準備もしなければ。

AM2~6時までは、
1時間おきに呼び出された。
今から1時間くらい眠れるだろうか。
そして、多分こう思った。
「今日は、若手と飲みに行こう」



最近ひょんな事から思い出しましたので、
私が研修医の頃にお世話になった先生について描写してみました。
医師になって最初の頃の出会いって、本当に大切だと思います。