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【JW】SAH疑いだがCTも腰椎穿刺も異常がない場合


タイトルのような状況では、どうすべきなのか?
まとめの論文がありました。

Pooled analysis of patients with thunderclap headache evaluated by CT and LP: Is angiography necessary in patients with negative evaluations?
Journal of the Neurological Sciences 2009;276:123-125 (米国)

Background
・重度の突発性頭痛(thunderclap headache)の場合、くも膜下出血(SAH)を疑う。
・現在のstandardなwork-upは、
 まずbrain CT scan
 →CTで出血を認めず、神経学的所見もない場合には・・・
 →腰椎穿刺(LP)
 *このような状況では、angiographyも診断に有効という意見もある。
・thunderclap headacheに対するbrain CT+LPの診断法は、SAHの除外にどの程度有効なのか?また、angiographyは本当に必要か?

Materials and Methods
・thunderclap headacheがあり、神経学的所見がなく、CTで出血がなかった症例について、少なくとも1年以上経過フォローしているstudyをレビュー。
・SAHを発症した患者の割合を調べた。

Results
・7つのstudyがあった。合計813例。
・一人もSAHを発症していなかった!!!
 (pooled proportion=0, upper 95% confidence bound=0.004).

Conclusion
・thunderclap headache+normal neurological exam+normal CT+normal LPの症例では、angiographyを行わなくても良いだろう。
・このような症例の鑑別診断として、cerebral venous thrombosisやarterial dissectionを考えなくてはいけない。



「腰椎穿刺でキサントクロミーがあったが、トラウマタップと判断して経過観察したために再出血を起こしたSAHの症例があり、担当医が訴えられた」というケースがあったような。

とにかく、病歴が命のような疾患です。。。
by tobbyK | 2009-02-11 23:55 | Neurology