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【JW】緊張性気胸の脱気用の針の長さ


年明けから何かと忙しく、睡眠時間を削るしかない状況が続いております・・・
重なる時は重なるもので、本日も緊急で診療所の外来をしています。


さて、緊張性気胸の緊急脱気の際の針の長さはどれくらいが良いのか?という論文です。

症状から緊張性気胸と判断して、レントゲンも見ずに脱気するのはなかなか勇気が要ります。
過去に2例ほど超緊急状態の患者さんをピンク針で脱気した経験がありますが、いずれも非常に緊張しました。自分の診察所見以外に何の証拠もないので・・・かと言って、迷う時間もありませんし。


Needle Thoracostomy for Tension Pneumothorax: Failure Predicted by Chest Computed Tomography
Prehospital Emergency Care 2009;13(1):14 - 17. (米国 ノースカロライナ)

Background
・Tension pneumothoraxは致死的な病態であり、prehospitalでは針で脱気を行うように米国では教育されてきた。
 ⇔ しかし、この効果は良く分かっていない。ちゃんと針は胸腔に入るのか?
・胸部CTを用い、きちんと予想通りに針が胸腔に入るかどうかを検討する。

Materials and Methods
・過去にこの施設に外傷で入院した成人患者をretrospectiveにreviewした。
 → これらの患者において、第2肋間・鎖骨中線上の胸壁の厚みをCTで計測
 → この胸壁の厚みと、標準的に脱気に用いる4.4-cmのangiocatheterを比較した

Results
・110例のデータを収集。平均年齢 43.5 years。
・平均の胸壁の厚みは、右で4.5 cm (± 1.5 cm)・左で4.1 cm (± 1.4 cm)
 →55例の患者において、左右のいずれかの胸壁は4.4cmより大きかった

Conclusion
・4.4-cm angiocatheterは、おそらく50% (95%CI:40.7-59.3%)の外傷患者において脱気に失敗するであろう。
・prehospitalでの脱気法は、ちょっと考え直さないといけない。



外傷は、比較的若い人が多いからこういう結果なのだろうと思います。

そう言えば、緊張性気胸を、胸にボールペンを刺して脱気したドラマがあったような気が・・・長さは十分ですね。


しかし、こういうJournalがあるとは知りませんでした。