【JW】肺炎とスタチン

ある有名な先生と、月に一度研究ミーティングをさせて頂いています。
今日がその日だったのですが、準備⇒緊張⇒ディスカッション⇒終了後の脱力感、という流れが、まるでスポーツの様です。
あぁ、疲れた・・・

さて、スタチン続きということで。
スタチンを服用していて肺炎になった人は、服用してなくて肺炎になった人よりも死亡率が低いというもの。


Preadmission Use of Statins and Outcomes After Hospitalization With Pneumonia
Population-Based Cohort Study of 29 900 Patients

Arch Intern Med. 2008;168:2081-2087. 
(デンマーク←9月にシンポジウムで行ったばかり。綺麗な国でした)

Background
・いくつかの報告から、スタチンは重症感染症の予後改善効果の可能性が言われている。
・肺炎については、pro/conあり、議論のあるところ
・入院前にスタチンを服用している患者において、肺炎に伴う死亡率・菌血症・肺合併症が減少するか、検討した

Materials and Methods
・北部デンマークにおいて、肺炎で初めて入院した成人患者29900例を対象(1997.1.1~2004.12.31)
・レトロスペクティブに、statinとその他の薬剤の使用、合併症、社会・経済的背景、血液データ、菌血症、肺合併症、死亡について、記録を検討
・スタチン服用者と非服用者において、以下の検討を行った
 90日間の調整死亡率比(adjusted mortality rate ratios)
 菌血症のリスク比
 入院後の合併症のリスク比

Results
・肺炎患者において、1371例(4.6%)がcurrent statin usersだった
・スタチン服用者において、非服用者より死亡率が低かった
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                              m3.comより
 30日間:10.3% vs 15.7%
  adjusted 30-day mortality rate ratios 0.69 (95%CI, 0.58-0.82)
 90日間:16.8% vs 22.4%
  adjusted 90-day mortality rate ratios 0.75 (95%CI, 0.65-0.86)
・スタチン服用による死亡率の減少効果は、さまざまなサブグループ(菌血症患者、80歳以上の高齢者など)で解析しても保たれていた
・スタチンの服用歴(現在は服用していない)、心血管系保護作用があるとされるその他の薬剤(アスピリン、ACE阻害剤、ベータブロッカーなど)の服用は、肺炎による死亡率減少に強く関与しなかった

・敗血症の調整リスク比:有意差なし
 1.07 (95%CI, 0.69-1.67)
・肺合併症の調整リスク比:有意差なし
 0.69 (95%CI, 0.42-1.14)

Conclusion
・スタチン服用は、肺炎によって入院した患者において、死亡率の低下をもたらす


スタチンと感染症のレビューはないかな・・・と思ってググッたら、一発で出てきた!!
すごいぞ、Google!


感染症および敗血症に対するスタチン:臨床的エビデンスの系統的レビュー
Journal of Antimicrobial Chemotherapy (2008) 61, 774–785
レトロスペクティブな検討ばかりなのが問題のようです。

感想
スタチン、ある種類の癌を減らすかもしれないとも言われており、なんか恐ろしいです・・・
ちなみに、「スタチンが癌を増やす!」というのは都市伝説です。
JAMAの2006年だったかに、meta analysisがありました。
それによると、減らしもしませんでしたが・・・
スタチンのいろんな機序については、いずれ時間ができたら勉強しよう。

日本人として、遠藤章氏に拍手!
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by tobbyK | 2008-10-31 18:02 | 感染症