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                      冬のミシガン湖

昨日とはうって変わって寒くなりました。
朝は雷鳴が轟いてたし・・・まあ、それでも去年よりはマシ。

本日は会場をうろうろして、
午後からは肺気腫と気管支のCT画像に関する講演を聴きました。
内容はちょっと期待はずれで、知っている事が多かったため、
時差ぼけもあり最後はウトウトしてしまいました。

残りの時間は溜まっている仕事を少しずつこなし、
その後目上の先生とディナーへ。
アメリカサイズのビーフを食べ、お腹いっぱいに。
これからまたホテルで仕事再開の予定。

今回は胸部とemergency radiologyを中心に学ぼうと思っています。
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by tobbyK | 2009-11-30 13:09 | 徒然

11時間のフライトを経て、やっと到着。
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去年と違って今年は暖かく、全く別の街に見えます(良い意味で)。

機内で、やっと「チェ 28歳の革命」のDVDを見ることが出来ました(買ってから半年以上ほったらかしにしていた)。とにかくリアルで(主役のベニチオ・デル・トロがゲバラそっくり!)、ゲバラやカストロの情熱が伝わってきました。後半の「39歳 別れの手紙」は帰りに見ようと思っています。

それ以外の時間は、「Lymphatics, Lymph and Lymphoid Tissue」を1ページ目から熟読。1956年の2nd editionで半世紀前の古い本なのですが、目からウロコがボロボロ落ちました。リンパ系はきちんと勉強する機会が無いですので、この旅の間にある程度修めようと思っています。
せにゃならん仕事は山積みですが・・・

明日からは学会です。
気になる発表をチェックせねば。
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by tobbyK | 2009-11-29 11:51 | 徒然

今回も依頼原稿のための勉強。


Adenoid cystic carcnoma of the Trachea or Bronchus

はじめに
・最初の報告は、1859年にBillrothが行った 
   (Virchows Arch Patho Anat 1859;17:357-75.)
 ← おそらく"Master of Surgery"のTheodor Billroth
    腹部だけでなく、喉頭摘出術もランドマークとなる方法を編み出していたのですね。
    スゴイ・・・
・Adenoid cystic carcinoma(ACC)は、以前は“cylindroma”もしくは“adenocystic carcinoma”と呼ばれていた
・MDCTの発達により、迅速な検索とmultiplanar reconstructionによる多方向からの画像検討が容易となった

Clinical Findings
・年齢:40歳代に多い
・性差:なし (J Thorac Imaging 1995;10:180–198)
・喫煙歴:関係ない (Radiology 1977;122:597–600)
・症状:気道の閉塞症状
  →息切れ、咳、stridor、wheezing、血痰/喀血、胸痛、体重減少
    *初期診断時に、喘息や気管支炎との鑑別が問題となる 
  症状出現から診断までの期間は数週間~1年以上
  早期治療で予後が改善するので、早期発見が重要
   (Chest Surg Clin N Am 1996;6:875–898)

・頻度:
 気管腫瘍の発生率は100000対0.2人/年であり、癌による年間死亡数の0.1%以下
   (J Thorac Cardiovasc Surg 1996;112:1522-32.)
 気管原発の腫瘍は呼吸器系腫瘍の2%
   (Cancer 1970;25:1448–1456)
 成人の呼吸器系腫瘍では、良性よりも悪性腫瘍の方が多い(60–83%)
   (J Thorac Cardiovasc Surg 1996;111:808–813)
 気管腫瘍としては、扁平上皮癌(48%)に次いで頻度が高い(33%)
   (Cancer 1990;66:894–899、Am J Surgery 1982;143:697-9)

・治療:切除・放射線照射・両者の併用があるが、治癒には完全切除が望まれる 
   (Am J Surgery 1982;143:697-9、
    J Thorac Cardiovasc Surg 1996;111:808-14、
    Thorax 1993;48:688-92、
    Mayo Clin Proc 1993;68:680-4、
    Cancer 1970;25:1448-56)
 手術・・・気管切除・形成、内視鏡的切除(coring or using a laser)
  Grillo and Marthisenは、気管切除・形成を推奨
   →完全切除は当然だが、不完全切除でも合併症が少なく予後が改善
     (Ann Thorac Surg 1990;49:67-77)
  Maziakらは、不完全よりも完全切除の方が予後が良いことを報告
   →10年生存率で30% vs. 69% 
     (J Thorac Cardiovasc Surg 1996;112:1522-32)
  手術合併症:
   手術死亡率:12% (range,5%-14%)
     (Am J Surgery 1982;143:697-9、
      International trends in general thoracic surgery:
      major challenges. Vol2. Philadelphia: WB Saunders. 1987:91-110.、
      Thoracic Oncology New York: Raven Press, 1983:271-8)
   その他の合併症:ACCは局所浸潤傾向が強く、
              周囲組織の広範な切除が必要となる事が多い
              →気管食道瘻、咽頭/食道のリーク、
               縫合不全、声帯麻痺、一時的な気管切開、
               嚥下障害、イレウス、肺炎 
               (Am J Surgery 1982;143:697-9、
                Thoracic Oncology New York: Raven Press, 1983:271-8)

 放射線:
  唾液腺のACCへの放射線照射は、局所コントロールは良いが、長期予後は改善しない
     (J Thorac Cardiovasc Surg 1996;111:808-14、
      Arch Otolaryngol Head Neck Surg 1994;120:721-6)
   ⇔ 気管のACCに対しては証明されていない
      しかし気管切除を受け入れることができない患者も多く、放射線照射も選択枝
      →多くのACCは放射線照射に対する感受性があり、
        単独治療でも長期に生存した報告あり
 術後放射線照射・・・効果は不明だが、理論的には有効ではないかと考えられる
 化学療法・・・報告が少ないが、効果は乏しいと考えられている 
          (Am J Surg 1992;164:623-8)

・予後:
 低悪性度腫瘍だが、転移すると予後は2年程度
 5年生存率:66% to 100%
 10年生存率:51% to 62% → これらは治療法によらない! 
    (J Thorac Cardiovasc Surg 1996;112:1522-32、
     Am J Surgery 1982;143:697-9、
     Arch Otolaryngol Head Neck Surg 1994;120:721-6)

Radiographic and Helical CT Findings
・下部気管より発生する事が多く、次に主気管支・葉気管支・区域気管支(稀)・頸部気管(稀)

胸部単純レントゲン:
・分かりにくいことが多い
   (Ann Thorac Surg 1987;43:276–278)
・気管・気管支内に整/不整/分葉状の突出
・気管外への進展が高度な場合、縦隔陰影が変化
   (Can Assoc Radiol J 1993;44:157–167)

CT:
・軟部組織濃度の腫瘤
 *粘膜下への進展傾向強い
・気管壁の全周性の肥厚
・気管を取り囲む均一な濃度の陰影で、気管壁の肥厚を伴うパターンも 
   (AJR 1986;146:1129–1132、
    AJR 2001;177:1145–1150)
・横軸方向よりも縦軸方向への進展が強い
   (J Thorac Imaging 1995;10:180–198)
・気管周囲180°以上を侵す場合が多い
・形はいろいろ・・・ポリープ状、広基性
・辺縁もいろいろ・・・整、不整、分葉状
・石灰化は稀
・気管の後外側部や前外側部からの発生が多い・・・軟骨と粘膜の結合部で、粘液栓が豊富な部位が原発と考えられている 
   (AJR 1986;146:1129–1132、
    AJR 2001;177:1145–1150)

・頸部気管のACCは、甲状腺や気管軟骨に直接浸潤することがある
   (Chest Surg Clin N Am 1996;6:875–898)
・遠隔転移が生じる・・・診断時に領域リンパ節転移がある確率は10%
   (Ann Thorac Surg 1987;43:276–278)
 頭頸部のACCでは、領域リンパ節転移があると10年生存率が落ちる
   (Cancer 1970;25:1448-56.)
   ⇔ 気管のACCでは不明
・葉気管支・区域気管支原発の場合、無気肺やAir trappingが生じることあり

Pathologic Findings
・マクロでは、辺縁整・境界明瞭 
 *外方への進展性が強く、辺縁が不整なこともある
 *表面が潰瘍化していることもある
・均一で小さな細胞がシート状に並び、典型的な"cribriform growth pattern"もしくは腺管状のパターンをとることが多い
・嚢胞状部分が乏しく固形部分が多い場合は、局所での浸潤性が強く、粘膜下の神経周囲もしくはリンパ管に沿って進展していく傾向が強い
    (Cancer 1970;25:1448-56)

CT–Pathologic Comparisons
・Spizarnyらは、CTでは縦軸方向への進展や周囲臓器への進展が良く分からないと報告した
   (AJR 1986;146:1129–1132)
 →しかし、MDCTの出現とMPRが容易になったことで、この問題は解決されつつある
  CTは術式の決定にも重要
   (Eur J Radiol 2000;34:9–25)



 -徒然-

明日から1週間シカゴです(北米放射線学会)。
去年と違って今回はイベントが盛り沢山なので、楽しみです。
またレポートします。



 -追記-

「リアル 9巻」

年に1冊の恒例行事。
今年も出ました。
井上雄彦氏の作品の中では、最高傑作だと思っています。
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~「浦安」の由来~ 

初代浦安村村長である新井甚佐衛門が「浦(海)やすかれ」と言ったのと、心安らかにという願いが込められたものとされる。
日本書紀第3巻神武記の一節に「昔、伊弉諾尊(イザナギノミコト)この国を名づけて曰く、日本は浦安の国」と記されている。また、浦安は日本(大和)の古称・美称である。 
                          (Wikipediaより)


本日は千葉県浦安市に来ています。
妻の友人の結婚式があり、その間子供の面倒を見るためです。
本日は寒く、小雨もぱらついてきました。
「浦やすし」って感じではありません。

ディズニーランドにも生まれて初めて行きました。
エレクトリカルパレードは綺麗でしたが・・・
やはり仕事をしている方が楽しいと思いました。
娘は楽しそうでしたが。


ところで、ベストセラーの「生物と無生物の間」で有名な、
福岡伸一氏の対談をたまたま見ました。
ルドルフ・シェーンハイマーの「動的平衡」の話で、
鴨長明の「方丈記」の一節が出てきたりして、話が上手いなぁと感じました。

私たちの身体は、全体的には毎日同じようでも、
分子レベルでは常に入れ替わっています。
家族、会社、地域、国・・・世界も同じだと思いました。

と、言う事は、目の前の仕事が片付いたように見えても、
また新しい仕事が増えるだけなんでしょうね。
私が「動的平衡を止める=仕事を辞める」ことをしない限り・・・
しかし仕事を辞めると、私の家計の動的平衡が保てないし・・・

あ、ディズニーランドをホテルの部屋から眺めると、まさに動的平衡。

鴨長明風に言えば、

「行く客のながれは絶えずして、しかも本の客にあらず。
よどみに出現するキャラクターやパレードは、
かつ消えかつ現れて久しくとゞまることなし」


さ、子供たちが寝ている間に仕事しよう・・・
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by tobbyK | 2009-11-22 17:14 | 徒然

Chest X-rays in COPD screening: Are they worthwhile?
Respiratory Medicine 2009;103(12):1862-1865 (UK)

Background
・BTS/NICE(National Institute for Health and Clinical Excellence)のCOPD guidelineでは、 COPDの初期評価のために胸部単純X線写真(以下胸Xp)を推奨している。推奨度はgrade Dであり、expert opinion程度である。
・胸XpでCOPD以外のどんな疾患が分かるのか?そして、それでその後のマネージメントが変わるか?

マテメソ
・対象:Dundee(スコットランドの北東部)の40歳以上の喫煙者で気管支拡張薬を投与されている患者(=COPDが疑われる症例)を対象
・過去3年以内に胸Xpの撮影歴が無い場合、practice nurseにより胸Xp撮影を指示
・retrospectiveに胸Xpとカルテを検討
・胸Xpのチェックポイントは7つあるが、以下の2点が重要なポイント:
 息切れを起こすCOPD以外の原因は?
 肺癌は?
 →上記2点がある場合、その後の取り扱いについても検討

Results
・546例について検討
 →14%で治療可能な疾患が指摘された
   胸Xp後の治療により、84%の症例が改善したと考えられる
   肺癌は11例で、stage1はその内3例だった

Conclusion
・COPD患者の初期評価に胸Xpを用いる事で、それなりに良性・悪性疾患が発見された
・発見された患者の大部分において、治療方針に何らかの変更があった
・このエビデンスに基づき、ガイドラインの推奨度をgrade Dからgrade Cに上げても良いのではないか?



こういうエビデンス、結構無いものですよね。
しかし、「当たり前だろう」って感じで受け取るのは良くないと思います。
当たり前だと思っている事が全くの間違いである事は、
非常に多いからです。
これは歴史が証明しています。


100年後の人類に役立つ研究をすることも大切でロマンを感じますが、
同じ時代を生きる人達にとって明日から役立つ研究の方が、
どちらかというと自分の好みです。



-徒然-

出張続きです。
現在、診療所外来で患者さんと話してリフレッシュ中。

妻から聞いた、週末出張中の長女(3歳)の一言
「(ベランダで遠くを見つめつつ)パパが消えちゃったら、私悲しい・・・」
 
おいおい・・・
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by tobbyK | 2009-11-16 10:41 | COPD

ちょっと前の記事に書いたベバシズマブですが、

肺癌(扁平上皮癌以外)にも適応が拡大されたようです。

治療の選択枝が広がることは、単純に良いことだと思います。

後は、我々の知識と知恵が試されますが。。。


  - またもや新幹線にて 
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依頼原稿の下書きのため。
暇をみつけてやっておかねば・・・

肺胞微石症
*メインの参考文献
 The British Journal of Radiology, 77 (2004), 974–976
 日胸:67巻4号,2008年4月, 294-302

・肺胞微石症(Pulmonary Alveolar Microlithiasis:PAM)は、肺胞内にリン酸カルシウムを主成分とする微小結石が蓄積する常染色体劣性遺伝疾患。II 型肺胞上皮細胞に特異的に発現しているIIb型ナトリウム依存性リン運搬タンパクの機能欠損が原因であり、同タンパクをコードするSLC34A2遺伝子の機能欠失型変異遺伝子がホモ結合となっている。同遺伝子は、肺に唯一強発現するリン運搬タンパクをコードする遺伝子である。

・病理:肺胞内に層状構造を示す微石と、肺隔炎

・疫学:世界で600 例,日本で100例が報告されている(日本は多いらしい)。

・主な特徴は、肺胞腔内にびまん性に広がる層状のcalcipherites(≒石灰球)であり、カルシウム代謝異常をきたす基礎疾患が無い事。

・症状:初期は無症状→30-40歳で症状出現。 [1, 4]
    拘束性の肺機能障害。 [1, 3–5]
    気胸は病初期に生じる事が多い。 [6]
    呼吸不全は進行性であり、肺性心を合併し死に至る。 [6]

・画像 ⇒ Imaging Consult.com参照
 胸部レントゲン:両側肺びまん性の微小石灰化(‘‘sand storm’’)
           中下肺野優位で、肺底部は特に濃度が高い。
             →血流によるものかもしれない。 [1–5]
           心陰影と横隔膜のラインがぼやける
           肺尖部のブラ [3]
           black pleural line=肺と胸壁の間に黒いラインが見える [2, 3]

 CT:両側肺びまん性のすりガラス状陰影・微小石灰化結節
    中下肺野・縦隔側に優位 [1, 2]
    bronchovascular bundlesに沿った領域や、
    bronchovascular treeの中心部にも石灰化が見られる
    胸膜直下に小嚢胞が並ぶ
    胸膜石灰化と、肥厚した胸膜内に小石灰化結節 [2, 3]
    小葉間隔壁肥厚+石灰化あり
    crazy-paving patternの報告もあり、他疾患との鑑別が重要 [9, 10, 11]

1. Hoshino H, Koba H, Inomata S, et al. Pulmonary alveolar microlithiasis: high-resolution CT and MR findings. J Comput Assist Tomogr 1998;22:245–8.
2. Cluzel P, Grenier P, Bernadac P, et al. Pulmonary alveolar microlithiasis: CT findings. J Comput Assist Tomogr 1991;15:938–42.
3. Korn MA, Schurawitzki H, Klepetko W, et al. Pulmonary alveolar microlithiasis: findings on high-resolution CT. AJR Am J Roentgenol 1992;158:981–2.
4. Helbich TH, Wojnarovsky C, Wunderbaldinger P, et al. Pulmonary alveolar microlithiasis in children: radiographic and high-resolution CT findings. AJR Am J Roentgenol 1997;168:63–5.
5. Barbolini G, Rossi G, Bisetti A. Pulmonary alveolar microlithiasis. N Engl J Med 2002;347:69–70.
6. Wallis C, Whitehead B, Malone M, et al. Pulmonary alveolar microlithiasis in childhood: diagnosis by transbronchial biopsy. Pediatr Pulmonol 1996;21:62–4.
7. Schmidt H, Lorcher U, Kitz R, et al. Pulmonary alveolar microlithiasis in children. Pediatr Radiol 1996;26:33–6.
8. Harbitz F. Extensive calcification of the lungs as a distinct disease. Arch Intern Med 1918;21:139–46.
9. Murch CR, Carr DH. Computed tomography appearances of pulmonary alveolar proteinosis. Clin Radiol 1989;40:240–3.
10. Johkoh T, Itoh H, Muller NL, et al. Crazy paving appearance at thin-section CT. Spectrum of disease and pathologic
findings. Radiology 1999;211:155–60.
11. Murayama S, Murakami J, Yabuchi H, Soeda H, Masuda K. Crazy paving appearance on high resolution CT in various diseases. J Comput Assist Tomogr 1999;23:749–52.



-徒然-

明日からまた東京。
新幹線で読書したいが・・・
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~時々思い出す上司の一言~

むかしむかし、ある患者さんの手術適応の可能性について外科の先生に相談したところ、イヤミ満載で長々と説教をくらう。

「あの先生、いつもああなんですよね。相談しても意味ないし、もう話したくもないです!」
と、当時の上司に話すと、

「先生、僕もそう思うことはあるよ。だけど、患者さんのためだから。それも僕達の仕事の一つだよ」


・・・今でも時々思い出す言葉です。ありがとうございました。



さて、現在東京へ向かう新幹線の車中。
研究のための出張です。

東京についたらすぐに仕事、
深夜にラーメン、
その後東京ドーム温泉。
明日は朝から丸一日実験して、
その後大阪へ。

これからしばらくは休みも無く、
何かと色々大変ではありますが、
移動中の読書やラーメンなどを楽しみに生きていこうと思います。



ちなみに、東京で食べるラーメンは、常に博多ラーメン(いち〇ん)です。
九州人としては、ラーメンはとんこつしか味の良し悪しが分かりません。
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by tobbyK | 2009-11-07 19:32 | 徒然


ご質問をいただきましたので、勉強してみました。

Bevacizumab

・1989年に血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が初めてクローニングされ、2003年にbevacizumabが初のVEGFターゲットドラッグとして完成した。大腸癌、肺癌、乳癌、腎癌などの臨床試験で効果を示す。日本では、2007年4月18日に「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の治療薬として製造販売承認を受けた。

・bevacizumabはVEGFに対するヒト化マウスモノクローナル抗体で、VEGF-Aと選択的に結合してVEGFと受容体との結合を阻害し、腫瘍組織での血管新生を抑制する。
・また,VEGFの過剰産生により異常化した腫瘍組織の脈管構造を正常化させることにより、組織間質圧を低下させ、抗癌剤の腫瘍細胞への到達を改善させる(Science 2005;307(5706):58-62)。

肺癌とbevacizumab
・肺癌において、VEGF発現と腫瘍内血管密度の間に相関があり、1期症例で腫瘍のVEGF高発現群は低発現群と比較し予後不良と報告された(Clin Cancer Res 1997;3:861-865)。そのほかに、VEGF/VEGFR2の活性化、血清中bFGF、Ang-2、TP、TSP-1低下などが予後不良因子として報告されている。肺癌の転移には血管新生が重要ということの証拠。

・NSCLCに対するCBDCA/PTX+bevacizumabのPhaseⅡ trialにおいて、ベースラインで喀血がある症例と扁平上皮癌では、致死的な喀血のリスクが高いと報告された。

・ECOGの第Ⅲ相試験(E4599)(N Engl J Med 2006;355:2542-2550)
出血リスクの高い扁平上皮癌、喀血の既往のある症例、脳転移症例を除外した未治療進行NSCLC878例を対象
CBDCA+PTX療法群 vs CBDCA+PTX療法+bevacizumab15mg/kg併用群
 MST・・・CBDCA+PTX療法群:10.3ヵ月
       bevacizumab併用群:12.3ヵ月   (HR=0.79, p=0.003)
 PFS・・・CBDCA+PTX療法群:4.5ヵ月
       bevacizumab併用群:6.2ヵ月  (HR=0.66, p<0.001)
 奏効率・・・CBDCA+PTX療法群:15%
       bevacizumab併用群:35%    (p<0.0001)
 副作用・・・grade3以上の出血:CBDCA+PTX療法群:0.7%
                      bevacizumab併用群:4.4%
        その他にbevacizumab併用群で目立った副作用:
           致死的な出血(喀血5例を含む7例あり、いずれもbevacizumab併用群)
           grade4の好中球減少、血小板減少
           grade3の高血圧、低ナトリウム血症、発熱性好中球減少症、蛋白尿

・Avastin in Lung [AVAIL] trial
未治療進行もしくは再発症のNSCLC(扁平上皮癌、脳転移をのぞく)1043例を対象
Cisplatin+Gem vs Cisplatin+Gem+bevacizumab (7.5 mg/kg or 15 mg/kg)
Cisplatin+Gem+bevacizumabは6サイクル試行後、腫瘍が再燃するまでbevacizumab単独投与を続けた
 PFS(Median)・・・Cisplatin+Gem群:6.1ヶ月
             bevacizumab併用群:6.7ヶ月(7.5 mg/kg)、6.5ヶ月(15 mg/kg)
             (HR=0.75、P=0.002、for the lower dose)
             (HR=0.82、P=0.03、for the higher dose)
 奏効率・・・Cisplatin+Gem群:20%
        bevacizumab併用群:34%(7.5 mg/kg)、30%(15 mg/kg)
 奏功期間・・・Cisplatin+Gem群:4.7ヶ月
          bevacizumab併用群:6.1ヶ月(両方の用量で)
 副作用・・・高血圧:Cisplatin+Gem群で2%
             ⇔bevacizumab併用群で6%(7.5 mg/kg)・9%(15 mg/kg)
        出血(肺から):Cisplatin+Gem群で1%未満
               ⇔bevacizumab併用群で1.5%(7.5 mg/kg)・1%未満(15 mg/kg)
        副作用による死亡率は、有意差なし(4-5%程度)

・あと、もうすぐ論文が発表されると思われますが、今年のASCOで「タルセバと併用して、初回化学療法後の維持療法に用いる」という話もあり。


投与中止後の「リバウンド現象」については、TTさんのご指摘により勉強しました。
Forbesの記事にもなっているんですね。勉強不足でした。
基礎的なところは詳しく分かりませんが、臨床においては、sorafenib(Rafキナーゼ、PDGFRキナーゼ、VEGFRキナーゼ、KITキナーゼなどのマルチキナーゼ阻害剤で、腎細胞癌と肝細胞癌に適応あり)、sunitinib(PDGFRキナーゼ、VEGFRキナーゼ、KITキナーゼなどのマルチキナーゼ阻害剤、GISTや腎癌に適応あり)などの薬剤で、投与中止後の腎癌の急速な増悪の報告があり(Clin Cancer Res 2007;13:747s–752s、Nature Clinical Practice Urology 2007;4:470–471)、"rebound effect"と呼ばれているようです。
そして、bevacizumabでも同様の現象が腎癌において見られるという報告がありました(The Oncologist 2008;13(10):1055-1062)。
この現象のため、これらの薬剤は生存期間に「大きな」インパクトを残せないのではないか?という事のようです。

ただ、現在の肺癌の治療成績から考えると、これまでの化学療法への「上乗せ効果」が確認できた薬剤なのですから、小さいけど「大きな」進歩と考えたいです。

自分自身使用経験がないので、これからもっと勉強してみます。



- 楽しみ -

ミルウォーキーに一人、シカゴに一人研究留学中の先輩がおられまして、
1ヶ月後のシカゴでの学会の時にお会いできる事になりました。
お泊りまで勧めてくださって、とっても嬉しいっス!
感謝です。

大学生時代に心身ともに非常に辛かった(吐き気がするくらい)日々を支えてくださった先輩と、とある大学病院でこれまたある意味とても辛かった(もがいていた)時期に大変勇気付けてくださった先輩で、お二方ともすごく尊敬しています。

ありがとうございます!!
シカゴは寒いのであまり乗り気じゃなかったのですが、俄然やる気がでてきて地図を確認したり手土産を選んでいたところ、「あんた突然やる気が出てきたね~」と妻から突っ込みを入れられました(笑)
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