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風邪を引いた後から咳が続いており、
とうとう3週間目に突入しました。
自己診断は「感染後咳嗽:post infectious cogh」なのですが、
一応呼吸器内科医なので、つい最悪のケースを考えてしまいがちです・・・

さて、感染後咳嗽のおさらいを

2006年、ACCPの「咳嗽のガイドライン」が出ました。
そこで、「Postinfectious Cough」と言う独立した概念として記述されました。

概念
 ・ウイルスやその他の微生物の感染後に生じる
 ・咳嗽が3週間以上持続するが8週間以上は続かない
 ・胸部X線写真で異常がない
 ・咳嗽は自然寛解する

病態
 ・炎症 = 感染症による上皮構造の破壊 ± 上・下気道の一過性の過敏
   ⇒ 粘液産生増加
      気道クリアランス低下
      後鼻漏による咳受容体刺激
 *咳感受性の亢進なし ⇔ atopic coughとの違い
 *好酸球浸潤なし ⇔ 喘息との違い
 ・持続する咳嗽⇒腹圧上昇⇒胃食道逆流、という機序も疑われている

治療法
 ・時間が薬!
 ・中枢作用型鎮咳薬 (エビデンスはないが・・・)
 ・30~40mgのプレドニゾロンを投与し、2~3週間で漸減 (という論文も!)
 ・イプラトロピウム(アトロベント) (という論文も!)

詳しくはChest 2006;129;138S-146Sを。


最悪のケースは、もちろんあの病気です。
長期休養はできますが、今の勤務状態では何の補償もない=無収入に転落してしまう。
・・・医師って結構タイトロープな人生だと実感します。



-徒然-

「プロフェッショナルとは~~~」
と語る人をよく雑誌やテレビで見かけますが(医学系にも結構多い)、
自分はそういう人が苦手です。

その有名人が、その人の傍にいる人達にとって、
実は別の意味で「とんでもない」人であるという事はよくありますし。
自分自身、よく知らない人に何かを語られても、
あまりリアリティーを感じることが出来ない想像力の乏しい人間ですし・・・
傍にいる人たちがその「エライ人」について色々な角度から語る方が、
リアリティーがあると思うのですが。

あと、言語化は確かに大切ですが(家族、特に夫婦間では・・・と実感)、
きちんと言語化できたかどうかの検証はとても難しいと思います。

「大切なのは相手が何を話しているかではない。
 相手の話し方や雰囲気をよく観察しなさい」

とは、学生時代に読んでとても感動した「リトル・トリー」より。
いまだに、その通りかなぁと思っています。

この本は、作者に色々な問題があるみたいで、ちょっと残念な所があります。
でも、本当にそんな問題があったとすれば、
なおさら内容の素晴らしさは奇跡的としか言いようがないと思っています。

いつか子供にも読んでもらいたい本です。
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by tobbyK | 2009-07-31 18:20 | 咳嗽

保育園で風邪が流行⇒娘が風邪⇒妻が風邪
⇒最後に自分が風邪+急性副鼻腔炎発症で頭痛が・・・

我慢して新しい論文を書き始めていたら、
1ヶ月前に投稿していた論文のreviseが来て作業が止まり・・・

・・・と、ブログを更新しなかった言い訳をしました。
更新していないのにチェックしてくださった方々、申し訳ありません。


さて、高炭酸ガス血症がSIRS・MOFに対して防御的に働くという話が以前からありましたが、実用されているのを私は聞いた事がありません。
今回の論文は、動物実験でその効果を確認しています。
本文はまだ全部読んでいませんが、abstractから。

Hypercapnic acidosis attenuates shock and lung injury in early and prolonged systemic sepsis
Critical Care Medicine: Volume 37 - Issue 8 - pp 2412-2420

Background
・急性呼吸性アシドーシスは、非敗血症/初期肺炎による急性肺障害を抑えるが、呼吸性アシドーシスが長引くと肺障害をより悪化させてしまう。
・呼吸性アシドーシスが、敗血症に伴う肺障害時にもそのような働きをするかは分かっていない。

Objective
・吸気ガスにCO2を加えて急性呼吸性アシドーシスを起こすことにより、重症敗血症による肺障害・全身臓器障害を抑えることが出来るか? 
 *敗血症はラットの盲腸の結紮/穿刺で人為的に引き起こした

Design
・Prospective randomized animal study.

Setting
・University research laboratory.

Subjects
・Adult male Sprague-Dawley rats.

Interventions
①early systemic sepsis series
・ラット達は麻酔され気管切開された後に、無作為にnormocapnia群 (Fico2 = 0.00, n = 12) と hypercapnic acidosis群 (Fico2 = 0.05, n = 12)に分類された
・その後、ラットの盲腸の結紮・穿刺により敗血症を引き起こされ、3時間人工換気された

②prolonged systemic sepsis series
・ラット達は麻酔され、盲腸を結紮・穿刺された後、無作為に以下の環境に分けて住まされた;(A) environmental normocapnia (Fico2 = 0.00, n = 20)、(B) hypercapnia (Fico2 = 0.08, n = 20)
・96時間後ラット達は再び麻酔され、肺障害・循環不全について評価された

Results
①early systemic sepsis
・hypercapnic acidosis群は、normocapnia群と比較し、
  低血圧の発生・重症化に対し防御的に働いた
  乳酸の貯留を抑えた
  中心静脈の酸素化ヘモグロビンを減少させた
  気管支肺胞洗浄液中の好中球数を減少させた
  肺のwet/dry weight ratiosを低下させた

②prolonged systemic sepsis
・hypercapnic acidosis群は
  肺障害の病理学的スコアが低かった
  少なくとも、高炭酸ガス血症が敗血症に伴う肺障害を悪化させた証拠はなかった

・Hypercapnic acidosisは、早期もしくは遷延性の敗血症において、肺/全身の細菌の増加をもたらさなかった

Conclusion
・Hypercapnic acidosisは敗血症に伴う臓器障害に対して防御的に働く可能性あり



以前、この雑誌(Critical Care Medicine)に他科の先生が投稿するのを少しだけお手伝いさせて頂きました。自分もいつか、です。



ところで、我らがビリー隊長が心斎橋にスタジオを開設した模様。
是非行ってみたいですが、サインをもらうだけで十分です。
風邪による体調不良のため、3週間ほどブートキャンプをリタイヤしていましたが、
そろそろ復帰せねば。
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小児の喘息発作時の全身ステロイド投与について簡単なレビューがありました。
Use of dexamethasone and prednisone in acute asthma exacerbations in pediatric patients
Can Fam Physician Vol. 55, No. 7, July 2009, pp.704 - 706


 ・喘息発作時の短期間全身投与は、Cochrane reviewによれば安全性が高く有効
 ・経口・静注の投与法による差はない
 ・デキサメサゾンとプレドニゾロンの差も大きくはない

β刺激薬吸入・インタール吸入・テオフィリン点滴 → 動悸・嘔吐・喘息発作は収まらず・・・
という小児を、過去救急外来でたくさん見てきました。

小児喘息治療の現状はどんなものか勉強不足なのですが、
いつか小児科の先生と一緒に喘息に関する仕事をしたいな、と思っています。





 「その人」

AM7時00分に病院に着くと、
その人は仮眠室のベッドで白衣のまま寝ていた。
夜中に90歳の誤嚥性肺炎の患者さんが急変したらしい。

AM7時30分にむくっと起きて、
病棟で指示を出し、
その後カンファレンスを始める。

AM8時30分からは外来。
その人の外来日は毎日だ。
今日も予約患者だけで40人。

PM1時30分から、
外来の合間を縫って気管支鏡をする。
空腹はお菓子で紛らわす。

PM3時くらいに、
やっと外来が終わる。
新規入院は出来るだけ若手に振ったが、
その人の受け持ちも2人増えている。
さあ、病棟回診。

PM5時から、
胸部CTを研修医に教えながら読影する。
この病院には放射線科医が1人しかいないから、
読影所見は呼吸器内科でつけている。

PM5時30分になった。
今日は当直だ。
その人は40代半ばだが、当直は月に3~4回ある。

PM6時、
早速救急外来から呼び出される。
意識障害の患者が救急搬送されて来たらしい。
病棟からも「患者さんの家族が病状説明を希望している」とコールが。
・・・今日も長い夜になりそうだ。

PM11時、
医局で講演会のスライドを作成する。
若手向けの勉強会の準備もしなければ。

AM2~6時までは、
1時間おきに呼び出された。
今から1時間くらい眠れるだろうか。
そして、多分こう思った。
「今日は、若手と飲みに行こう」



最近ひょんな事から思い出しましたので、
私が研修医の頃にお世話になった先生について描写してみました。
医師になって最初の頃の出会いって、本当に大切だと思います。
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Epidermal Growth Factor Receptor Mutations and the Clinical Outcome in Male Smokers with Squamous Cell Carcinoma of Lung
J Korean Med Sci 2009; 24: 448-52

ゲフィチニブが効き難いとされる「男性+喫煙+扁平上皮癌」の患者さんでも、
EGFR遺伝子変異があれば効果がある可能性が高い、という韓国の論文。
症例数が少ないのが残念ですが、、、

ゲフィチニブ、とうとうヨーロッパでも承認との事で、この論文を紹介してみました。



ところで本日、指切断の患者さんを久しぶりに診ました。

幸い、自分が医師になった時には既にアルミホイル法があり、
その後被覆剤を用いた湿潤療法が出てきましたので、
誰でも問題なく処置はできます。
自分で断端形成をした事はありません。

指切断には色々な思い出があり・・・
しばしば思うのは、「あちらの世界も大変だな」、という事です。



-追記-

最近、依頼原稿が3ついっぺんに来ました。
これまで溜まっていた原稿は一段落していたので良いのですが、
内容が全部「rare disease」モノ。
自分は一体どういう扱いになっているのか・・・
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「ここ1年くらい、背中が痒いんだけど、皮膚科では何ともないって言われて・・・」
そういうご婦人を診察。
何度も引っかいた後と思われる色素沈着が少しあるのみで、
後は何もない。ううん・・・
調べてみたら、こんな疾患が。写真の所見はそっくり。
勉強が足らんなぁ。

背部皮膚錯感覚症 'notalgia paresthetica' (NP)
病態
・Th2~Th6の脊髄神経後根枝支配領域に生じるparesthesia
・Th2~Th6の神経線維は、通常僧帽筋(厚い)を貫通し直角に上行する
 → 神経枝が筋の厚みより圧迫されたり、長期臥床や外傷などで圧迫されることで生じる
・明らかな原因がみつからない例も多い
*カユミを伝達する求心性線維はカプサイシン感受性C線維

症状
・背部に片側性に生じる
・皮膚所見はない
 → 期間が長いと、掻破による色素沈着、苔癬化、慢性湿疹様変化

診断
・特有の症状
・皮膚所見がない事

治療
・特にはない
・カプサイシン外用療法が有効な例があるらしい
・ステロイドや抗ヒスタミン薬は効かない

 参考文献 皮膚臨床41:23,1999



ところで関係ない話ですが、機関車トーマスを娘と一緒に見ていて、
感動的な歌を知りました。
その名も、「じこはおこるさ」(Youtubeで歌が流れますのでご注意を)
映像と歌の乖離具合にインパクトがあるんですが、
その奥になんか深いものを感じてしまいました。
深読みでしょうか。

しかし、教育テレビの幼児向け番組で流れる歌は、
そんじょそこらの洋楽・邦楽なんか目じゃないくらいメロディーや構成が凝っていますね。
素晴らしい。



・・・また、呼吸器以外のネタを書いてしまいました。
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by tobbyK | 2009-07-02 19:32 | 皮膚

入隊したばかりのビリー隊長のキャンプ、
まだ基礎編ですが、ビリーバンドを使うと30分しか持ちません・・・

声を出さないととてもついて行けないのですが、
閑静なマンションで深夜に大声を出すわけにも行かず、
「ふぐっ、んぐっ」って感じで頑張っています。
毎日は無理。


最近の小さなヒットとハズレを。

最近のヒット
・Annals of internal medicineのpodcastで聴いた、S3 gallop rhythmとベートーベンの交響曲
 ⇒ なかなか良いリズム。
「West」改訂版
 ⇒ 通読していますが、面白いです。


最近のハズレ
・オーディオブック 「99.9%は仮説」
 ⇒ イントロから内容に一人で突っ込みを入れまくって、15分で疲れてしまった。
   まだ数時間残っているが・・・これ最後まで聴ける人いるのか・・・
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by tobbyK | 2009-07-01 06:33 | 徒然