<   2009年 02月 ( 18 )   > この月の画像一覧


今日も診療所で骨折を診察。

患者さん曰く、「足をぐねったら、バキバキって音が・・・」

レントゲンの結果、第5中足骨基底部の剥離骨折、いわゆる「下駄骨折」

         FootPhysicians.comより。Avulsion fractureと書いてあるところ。
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この骨折は、足を内向きに捻挫した際に第5中足骨基底部に付着する短腓骨筋腱が過伸展し、腱に引っ張られて剥離骨折を生じるもの。

通常はRICE(Rest, Ice, Compression, Elevation)→シーネ固定で、約4週間ほどで骨癒合するとのこと。
あまりずれる位置ではないし、偽関節が生じても症状は少ない様です。
これより少し遠位部のJones骨折は、骨がずれやすいので要注意(サッカーの小野選手が以前そうでしたよね、確か・・・)。


患者さんは松葉杖で帰宅されました。


しかし、学生のときなかなか覚えられなかった足の骨の名前ですが、骨折の診療をするようになったら結構覚えられるものですね。


    ・・・雨のため少し暇な診療所より・・・
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月経随伴性気胸の症例は2例しか経験した事がありません。。。

このブログへのある方のコメントがきっかけで、今回しっかりとしたReviewを読みました。

感謝します。

長いので、2回に分けます。第1回目は基礎的事項~疫学~病態生理まで。


Thoracic Endometriosis: Current Knowledge
 Ann Thorac Surg 2006;81:761–9

はじめに

・子宮内膜症とは、子宮内膜が子宮腔もしくは子宮筋以外の部位で増殖すること。
 ⇒骨盤腔が最も多く、次にその他の後腹膜腔に多い
  しかし、全身のあらゆる部位で報告されている    [N Engl J Med 1993;328:1759-69.]

・骨盤腔の子宮内膜症について簡単に
 部位:ほぼ全ての臓器で報告あり⇒盲嚢、、卵巣、後方広間膜、仙骨子宮靭帯、子宮
 症状:大部分は無症状。有症状の場合も、非特異的。
    ⇒不妊症、骨盤痛(月経困難症、性交時の疼痛、非周期的下腹部痛)、不正性器出血等 
 治療:鎮痛薬、ホルモン療法、手術など
    ホルモン療法は子宮内膜症進展抑制と疼痛軽減をもたらすが、再発率が高く、
    不妊症への効果も高くない
    保存的手術(妊娠機能を残す)は、目に見える明らかな子宮内膜組織を除去できる
           [N Engl J Med 2001;345:266-75.]
     ⇒腹腔鏡手術は疼痛改善とQOLにおいて有効だが、不妊症の改善効果は不明
           [Hum Reprod 1999;14:1332-4.]

・胸郭内子宮内膜症(Thoracic endometriosis syndrome;TES) 
 腹部・骨盤の子宮内膜症とは異なり、TESはまれ。
 胸郭内(肺内や胸膜表面)で子宮内膜組織が増殖する
 ⇒4タイプ
  catamenial pneumothorax [CP]
  catamenial hemothorax [CHt]
  catamenial hemoptysis [CH]
  lung nodules             
                        [Am J Med 1996;100:164-70.]


疫学
・子宮内膜症は妊娠可能年齢女性の5~15%  [N Engl J Med 1993;328:1759-69.]
・Thoracic endometriosis(TES)の報告110例の検討
 → 平均年齢 35±0.6 years(15 to 54 years)   [Am J Med 1996;100:164-70.]
    *骨盤内子宮内膜症の発症ピークは24~29 years (←興味深い発症時期のズレ)

・TESの最も多い臨床症状であるCatamenial pnjeumothorax(CP)について
 664例の女性自然気胸の検討→ CPは6例 [Chest 1986;89:378-82.]
 196例の女性自然気胸の検討→ CPは11例(5.6%) [Mayo Clin Proc 1974;49:98-101.]
 32例の手術を施行した女性自然気胸→ CPは8例 [Chest 2003;124:1004-8.]

・見落とされがちである [Thorax 2000;55:666-71., Thorax 1997;52:805-9.]


病態生理
・TESはCHt、CH、endometriotic lung nodules(非常にまれ)を引き起こす
 ⇔ Catamenial pneumothorax(CP)は、TESと非常に良く関連するが、
   メカニズムが上記3症候と異なるものもあると考えられている
    [Chest 1993;103:1239-40., Chest 1997;111:1447-50,Thorax 1993;48:1048-9.]

・CHt・CH・CPの症状は、胸郭内に存在する子宮内膜組織が、ホルモンの影響下に周期性に増大・縮小を繰り返し、脱落することにより症状出現
    [Arch Surg 1974;109:173-6.,Chest1990;98:713-6]

・胸郭内の子宮内膜組織片は肺実質、壁側/臓側胸膜、横隔膜、気管支内などに認められる
 →どこに存在するかで症状が異なる

・胸郭内に子宮内膜組織が存在する理由:3つの仮説
 1.体腔上皮化生(coelomic metaplasia) 
     [Virch Arch Path Anat Phys 1924;250:595-610.]
  ・子宮内膜と、胸膜や腹膜の中皮細胞は、発生起源が同じ。
  ・ゆえに、何らかの刺激により子宮内膜へ分化してしまうのでは?  
   →肺内の子宮内膜症や、右側に多い理由が説明できない

 2.子宮もしくは骨盤から、リンパ行性あるいは血行性に転移
     [Surg Gyecol Obstet 1956;103:552-6.]
  ・肺内の子宮内膜症も説明可能。  
  ・外傷や子宮への処置などが原因とされる 
  ・子宮内のリンパ管や血管だけではなく、骨盤内子宮内膜症がある場合には、
   骨盤内のリンパ管や血管からも入り込むと考えられる
           [ Chest 1999;115:1475-8., Mt Sinai J Med 2002;69:261-3.]
  ・Joseph and Sahnのレビュー  [Am J Med 1996;100:164-70.]
    ・TESの84%に骨盤内子宮内膜症が認められたと報告  
  ・剖検のdata [JAMA 1966;196:595.]
    ・肺の子宮内膜症患者は通常両側に病変があるが、胸膜・横隔膜病変は右側しかない
     →肺実質の病変はこの仮説により説明され、
       胸膜・横隔膜病変は下記の「仮説3」によると報告

 3.逆行性の月経→腹膜と横隔膜を通過
  ・「逆行性の月経により骨盤内子宮内膜症が生じる」というSampson’s theoryは、
   広く支持されている          [Am J Obstet Gynecol 1927;14:422-69.]
  ・腹膜レベルでの異物除去能が低下
   →子宮内膜組織が生着し増殖してしまう
   →リンパ管・血管へ入り込み転移、もしくは腹腔内→横隔膜経由→胸腔へ、という経路
   *この説は、腹腔内の液体の動きについての検討から考えられた
    →“peritoneal circulation”
      骨盤内の液体、空気、細胞塊、膿は、右結腸傍溝を通って右横隔膜下へ移動する
      これは腹腔内圧と胸腔内圧の差、肝臓の“piston”様の働きによるとされる
                    [Chest Surg Clin North Am 1998;8:449-72.]
  ・そして、横隔膜の欠損部(先天的:多くの人で右横隔膜に存在する. もしくは後天的;手術や、
   子宮内膜の増殖・消退の繰り返しにより穴が開く)を通じて胸腔内へ 
                    [JAMA 1958;168:2013-4.]
   →胸腔内へ進入後、横隔膜もしくは胸膜に生着する
    *横隔膜単独の子宮内膜症は多いが、胸膜・横隔膜子宮内膜症の合併もあり 
                    [Ann Thorac Surg 2003;75:378-81.]

 ⇒どの仮説もTESの全ての臨床像を説明できるものではない
  おそらく、複合的なのだろう


子宮内膜組織はどのようにして臨床症状を起こすのか?
・Catamenial hemoptysis (CH)
 肺実質もしくは気管支内(まれ)に子宮内膜組織が存在

・Catamenial hemothorax (CHt)
 子宮内膜組織は胸膜表面に存在
 →子宮内膜組織からの出血   [Obstet Gynecol 1981;58:552.]

・Lung nodules 
 まれに、TESの症候が肺結節のみのことがある
 → 肺の末梢部分に多い
   無症状
   高齢女性に多い

・Catamenial Pneumothorax (CP)
 4つのメカニズム
 (1) ブレブの特発性の破裂
  Mayoが提唱   [J Thorac Cardiovasc Surg 1963;46:415-6.]
  ・特発性気胸と月経が偶然同時に生じたもの報告とした
   ⇔しかし、CPが再発すること、統計学的な検討から、この意見は否定的となった
   →さらに、右側だけに起こりやすいこと、ホルモン療法の効果があることから、
     現在では否定的

 (2) 生殖器官からの空気が横隔膜を通じて進入
  Maurerらが最初に主張 [JAMA 1958;168:2013-4.]
  ・月経期には子宮頚管の粘液栓がないので、この時期は子宮腔・Fallopian tubeを通じて、
   腹腔と外気が通じている
   →空気は子宮の収縮・体動・性交などにより腹腔に入る
   →横隔膜の欠損を通じて胸腔へ(胸腔内は陰圧のため) 
     [Chest Surg Clin North Am 1998;8:449-72.,
      J Thorac Cardiovasc Surg 2004;127:1219-21.]  
     *下は切除した横隔膜の写真。光が透けて白く見えるところが欠損部*
   
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  この仮説について、以前は否定的だったが・・・
  ・過去の症例の検討から、胸膜・横隔膜の子宮内膜症は認められないことが多く、
   横隔膜の欠損はわずかな症例にしか認められなかった  [Chest 1990;98:713-6]

  肯定的な報告がたくさん!
  ・229例のCP [J Thorac Cardiovasc Surg 2004;128:502-8.]
  →胸腔内の子宮内膜症は52.1%、そして横隔膜病変は38.8%の症例で認められたと報告

  ・Alifanoらの前向き検討 [Chest 2003;124:1004-8.]
  →横隔膜病変はCPの全例で認められ、内膜症組織は1例を除き認められた 

  ・Downeyら [AJR Am J Roentgenol 1990;155:29-30.]
  →腹腔内のエアとCPを同時に認めた症例を報告 → この説の裏づけ

  ・Rothら [Ann Thorac Surg 2002;74:563-5.]
  →エアが横隔膜を通じて胸腔内に入ってくる像を写真で撮った

  ・横隔膜欠損のあるCP患者において、卵管を結紮したらCPの再発が抑えられたという報告 
        [Am Rev Respir Dis 1986;134:803-4.]

 ⇒この説は現在非常に有力だが、全てのケースを説明する事は出来ない
   ⇔子宮摘出患者でのCP症例あり!! [Ann Thorac Surg 2003;76:290-1.,33].

(3) 臓側胸膜に存在する子宮内膜組織が消退し、破れる
  Koromら  [J Thorac Cardiovasc Surg 2004;128:502-8.]
  ・30%くらいのケースがこの機序によるものと報告

  ・CP患者において横隔膜欠損を見つけることが出来なかったという報告あり

(4) プロスタグランジンによる細気管支の収縮、もしくは細気管支に存在する子宮内膜組織
   →check-valve機構
   →肺胞の破裂
  Rossi and Gopleurodらが提唱   [Arch Surg 1974;109:173-6.]    古い
  ・CPは月経周期において血中のprostaglandin F2-alphaが増加
   ⇒血管と気管支の収縮を起こす
   ⇒肺胞の破裂を起こす

  局所にprostaglandin産生があれば、血管収縮と気管支収縮をより生じやすくなるという報告
   (possibly from intrapulmonary menstrual debris)  
                              [Surg Endosc 2000;14:680.]

  Lillingtonら [JAMA 1972;219:1328-32.]
  ・“catamenial pneumothorax”という言葉を提唱した人
  ・肺への子宮内膜組織の移入は終末細気管支に達し、check-valve mechanismにより
   過膨脹を引き起こす
   →気胸を起こす
   ⇔しかし、右に多いことが説明できない!



ちょっと長いですが、歴史的な事も学べ、非常に良いレビューです。

字ばっかりでスミマセン。是非原文をお読み下さい。
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胸部CT読影中によく1cm未満の小結節影をみかけますが、質的診断が困難です。

鑑別のひとつである、肺内リンパ節について以前読んだものを。

EURORAD Teaching File; Case 572

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【はじめに】
・リンパ節は縦隔、主気管支、3~4分枝レベルの気管支周囲に存在する。
・それ以上の末梢に存在するリンパ節は異常と考えられており、intrapulmonary lymph nodes (IPLN)と呼ばれる。

【頻度】
・よく分かっていない。
・Trapnellは、剖検肺のリンパ管に造影剤を注入後単純写真を撮影し、92例中6例にIPLNを認めたと報告した(1)。Bankoffは、境界明瞭・辺縁整の肺内結節を小開胸し切除した96例のうち、17例(18%)でIPLNを認めたと報告した(2)。

【性差】
・男性に多く、重喫煙者に多い傾向がある。小児例は少ない。Tanakaらは小児例を3例報告している(3)。

【病理】
・リンパ濾胞、拡張したリンパ管、炭粉沈着など。

【画像】
・ほとんどの症例はcarina以下のレベルに存在し、下葉に多い。(4,5)
・2/3の症例では単発である。
・径は12mm以下のことが多く、CTで偶然発見される。
・辺縁明瞭・整で、均一濃度であり、円形もしくは卵円形。
・胸膜から20mm以内に存在することが多い。肺静脈が近くを走る。
・稀に辺縁が不明瞭であったり、Pleural indentationsや血管の巻き込みを起こすことがある。
 ⇒CTでは鑑別が難しい。特に転移性腫瘍は下葉に多いし、特徴が似ている。

*興味深い報告:急速に増大し、CEAの上昇まで伴ったIPLNの報告がある。
           癌の転移に関連することがあるとも言われている。 

【診断】
・現時点では、確定診断法は病理検査となる。
・CTの精度上昇にともない、発見される機会が増えているのが問題。
   
【参考文献】
[1] Trapnell DH, Recognition and incidence of intrapulmonary lymph nodes. Thorax 1964; 19: 44-50
[2] Bankoff MS, McEniff NJ, Bhadelia RA, Garcia-Moliner M, Daly BD. Prevalence of pathologically proven intrapulmonary lymph nodes and their appearance on CT.AJR Am J Roentgenol. 1996 Sep;167(3):629-30.
[3] Tanaka Y, Ijiri R, Kato K, Nishi T, Nishihira H, Aida N. Intrapulmonary lymph nodes in children versus lung metastases. Med Pediatr Oncol. 1999 Dec;33(6):580-2. No abstract available.
[4] Miyake H, Yamada Y, Kawagoe T, Hori Y, Mori H, Yokoyama S. Intrapulmonary lymph nodes: CT and pathological features.Clin Radiol. 1999 Oct;54(10):640-3.
[5] Yokomise H, Mizuno H, Ike O, Wada H, Hitomi S, Itoh H. Importance of intrapulmonary lymph nodes in the differential diagnosis of small pulmonary nodular shadows.Chest. 1998 Mar;113(3):703-6.
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前回はcystic fibrosisと気管支拡張症まででした。

今回は、COPD、慢性副鼻腔炎、喘息について。


*感染症以外のマクロライド臨床試験の続き*
 ~COPD、慢性副鼻腔炎、喘息~

3.Chronic obstructive pulmonary disease
・[Respir Med 2005; 99: 208–215.]
対象:中等症~重症COPD 67例   
方法:clarithromycinとプラセボのprospective double-blind randomised controlled trial
     3カ月のclarithromycin therapyの、健康状態・増悪回数・痰の菌数に対する検討
結果:St George’s Respiratory Questionnaire symptom scoreと36-item short-form health survey physical function score で有意差あり。その他はなし。

・WILKINSON et al. [Thorax 2007; 62: Suppl. 3, A15.]
対象:109例のCOPD
方法:erythromycinとプラセボの比較(1年間)
    増悪の治療回数をprimary outcome
結果:placeboで増悪の治療回数多い(odds ratio 1.48; p=0.004)

・COPDへのmacrolide therapyの研究は、とても少ない (クリックで拡大)
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 →大規模な検討が望まれる


4.Chronic rhinosinusitis
・いくつかのopen-label studiesあり
 Acta Otolaryngol Suppl 1996; 525: 73–78.
 Otolaryngol Head Neck Surg 2002; 126: 481–489.
 Acta Med Okayama 1997; 51: 33–37.

・[Otolaryngol Head Neck Surg 2002; 126: 481–489.]
対象:17例の慢性副鼻腔炎術後患者
方法:prospective open-label study
    erythromycin treatment
結果:3・12カ月のフォローで、サッカリンテストと症状の改善(鼻閉・頭痛・鼻炎)を認めた

・最初のdouble-blind randomised placebo-controlled study 
  [Laryngoscope 2006; 116: 189–193.]
対象:慢性副鼻腔炎64例
方法:low-dose macrolide therapy in chronic rhinosinusitis
    3 months’roxithromycin treatment
結果:rhinosinusitis-specific quality-of-life scores
     (20-item Sino-Nasal Outcome Test (SNOT-20))
    saccharin transit time
    nasal endoscopic scoring
    nasal lavage levels of IL-8
  において、有意な改善あり
    *IgEレベルが低い患者で、より良いアウトカムが得られた
    *治療中止後3カ月のときに、SNOT-20再評価→また悪化していた
    →すばらしい結果だが、もう少しスタディが必要


5.Asthma

・randomised double-blind placebo-controlled trialsが結構あり(クリックで拡大)
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・機序
 direct antimicrobial activity
 alteration of steroid metabolism
 anti-inflammatory effects         [Eur Respir J 2004; 23: 714–717.]

・初期のスタディ
1.oral steroid-dependent asthmaticsへのtroleandomycin
  → steroid-sparing roleがあることを報告
 ZEIGER et al.のopen-label study [J Allergy Clin Immunol 1980; 66: 438–446.]
 ステロイド減量中でも、症状と呼吸機能の改善認められた

2.KAMADA et al.    [J Allergy Clin Immunol 1993; 91: 873–882.]
 18 severe steroid-dependent asthmatic children
 → troleandomycin + methylprednisolone group の方が、
    placeboより必要とする経口ステロイド量が少なかった
  *FEV1の改善は認められず

3.Troleandomycinがmethylprednisoloneの排泄を遅らせるという報告あり 
    [J Allergy Clin Immunol 1980; 66: 447–451.]
→しかし、75例のsteroid-dependent asthmaticsに対して、2年間のtroleandomycin±methylprednisoloneのdouble-blind placebo-controlled trialでは、ステロイドの減量・喘息のコントロールに差がなかった
*さらに、骨粗鬆症がマクロライド群で多かった  [Am Rev Respir Dis 1993; 147: 398–404.]
  (最初にも紹介しましたが、残念な研究結果)


*ここでクラミジアやマイコプラズマの話が出てくる・・・
・atypical organisms(クラミジアやマイコプラズマ)による慢性感染が喘息の重症度に影響するとの報告あり
              [J Allergy Clin Immunol 2001; 107: 595–601,
               Allergy Asthma Proc 2000; 21: 107–111.]

*Mycoplasma pneumoniaeもしくはChlamydia pneumoniaeのserological or PCR evidenceがある患者に対しての検討;
1.BLACKら [Am J Respir Crit Care Med 2001; 164: 536–541.]
 C. pneumoniaeの血清学的な診断をされた232人の喘息患者に対して、
 6週間のroxithromycinとplaceboを比較
 →primary end-pointsである朝の平均PEFと症状scoreに差ナシ
   6週間後の夕方のPEFはマクロライド群で良好だったが、さらにその後6週間のfollow-upでは差ナシ

2.KRAFTら [Chest 2002; 121: 1782–1788.]
 BAL液でM.pneumoniae or C.pneumoniaeのPCR陽性であった喘息患者は、陰性であった患者と比較し、マクロライド投与後のFEV1が著明に改善した

→この2つの研究結果の差は、M.pneumoniae or C.pneumoniaeの感染症診断のgold standardがないことによると思われる
 *特にBLACKらの研究では血清診断のみなので、慢性感染なのか既感染なのか分からない
 *KRAFTらはPCRを用いているので、本当に感染している人を選別できていると思われる
 *また、吸入ステロイドを使用したかどうかの違いもある→KRAFTでは30%、BLACKでは75%
 

*気道過敏性改善効果についての報告

1.最初のstudy
 17例のallergy-induced asthmaで、血液と各痰の好酸球が減少し、クラリスロマイシンの抗炎症効果が示唆された[Ann Allergy Asthma Immunol 2000; 84: 594–598.]
 経口もしくは吸入ステロイド使用中の患者はは除外

2.800mg/日のbudesonideを吸入中の患者での臨床試験
 血清のfree cortisol levelsは、clarithromycinで変化ナシ。
 →ステロイド代謝への影響ではないのでは?[Eur Respir J 2004; 23: 714–717.]

3.erythromycin、roxithromycin、azithromycinでも、気道過敏性改善が認められたという報告あり 
             [Chest 1991; 99: 670–673., Chest 1994; 106: 458–461.,
              J Asthma 2002; 39: 181–185.]

4.気道過敏性改善しなかったが、良かったという報告
 SIMPSON et al.  [Am J Respir Crit Care Med 2008; 177: 148–155.];
  難治性喘息患者において、マクロライド投与によりQOLの改善と喘鳴の減少
   ⇔気道過敏性とFEV1では改善ナシ
  QOLの改善は、喀痰中の好中球数・IL-8・好中球エラスターゼの値と相関していた
   →non-eosinophilic asthmaticsにおいて、これらの現象が著明であった
 *対象患者数が少なく、期間が短い(12週)ため、すべての患者に当てはまるとはいえない


・・・それで結局・・・
・Cochrane review of RICHELDI et al.
 「chronic asthmaに対するマクロライドのevidenceは不十分」とされた
            [Cochrane Database Syst Rev 2005; Issue, 4: CD002997.]


*その後、ケトライドの話が出てくる
・JOHNSTON et al. [N Engl J Med 2006; 354: 1589–1600.]
 ketolideであるtelithromycinの、喘息増悪に対する効果を検討
 double-blind placebo-controlled study
 278の成人症例を対象⇒telithromycinもしくはプラセボ10 days
 →primary outcomes:喘息症状、自宅で測定するPEF
 →治療群において、喘息症状が有意に改善(p=0.004)
   自宅測定PEFは有意差なし
   symptom-free daysは増加 (16 versus 8%; p=0.006)
   治療終了時の呼吸機能検査(FEV1, PEF, FVC and FEF25-75)は、治療群で改善
       ⇔6週後のフォローでは有意差なし.   
   *C. pneumoniaeもしくはM. pneumoniae感染が61%で認められた
     →telithromycinへの反応性とは関連がなかった
   *Nauseaがtelithromycinの副作用として多かった(p=0.01)
     その他、肝酵素上昇が2名
 ⇒ketolideも良いかもしれない
  C. pneumoniaeやM. pneumoniaeの感染率が高かったことから、
  抗菌効果も機序として予測される





・・・やはり質の高いエビデンスが不十分という結果。

ですが、どの疾患においても少し光が見えるような研究結果が得られています。

そして、そのほとんどが海外のデータです。

「日本でだけ行われている有害な治療法」らしいのですが、その日本からの報告は少ないというのも、興味深いですね。ただ臨床研究が苦手なだけか・・・?


次回以降では、移植後閉塞性細気管支炎への投与について、そしてディスカッションへ。
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本日は第49回胸部画像検討会に参加してきました。
とても勉強になりました。

今日はそのうちの一例について少し考えてみました。


症例:膠原病でステロイド投与中の中年女性の急性呼吸不全
    ⇒AIPもしくは間質性肺炎の急性増悪などを疑いステロイドパルスで呼吸状態改善
    ⇒肺に多発結節影出現
    ⇒空洞化

過去に同様のケースを2例経験した事があり、自分の中では「急速な空洞化を示す結節影」の病態は「塞栓症」だと思っています(エアトラッピング以外で)。もちろん、免疫抑制状態の患者さんなので、塞栓症の原因は感染症(真菌と一般細菌がメイン)です。鑑別としては非結核性抗酸菌症があるでしょうが・・・免疫抑制状態ホストの抗酸菌症としてはちょっと合わない気が・・・。その他としては、肺血栓塞栓症免疫抑制状態がなければWegener granulomatosisなどを考えるところです。

今回のケースも、答えはmucormycosisでした。


*pulmonary mucormycosisのおさらい* 
1.菌について
・Zygomycetes網
 - Mucorales目 ⇒ 各科の感染病像が類似しており、でひとくくりの「Mucor症」という診断名
  - Mucoraceae科(メイン)
   Absidia属
   Apophysomyces属
   Mucor属
   Rhizomucor属
   Rhizopus属

  - Cunninghamellaceae科(少)
   Cunninghamella属
  - Mortierellaceae科(少)
   Mortierella属
  - Saksenaeaceae科(少)
   Saksenaea属

2.病型
  鼻脳型:DM(ケトアシドーシス)、デフェロキサミン投与
  肺型:好中球減少(血液疾患が多い)
  胃腸型:栄養不良
  皮膚型:外傷(土壌汚染)、熱傷、血管内カテーテル
  播種型(肺⇒全身他臓器):好中球減少、デフェロキサミン投与
  (他に、腎、中枢神経型なども)

3.病理像
 ・血管侵襲による血栓形成と梗塞を特徴とした急性壊死性炎
 ・直径15-20μと太い菌糸
  幅は不規則
  隔壁なし
  直角に分岐
  ⇒HE、PAS、Grocottでよく染まる
    アスペルとの鑑別にはcresyl fast violet染色がいいらしい

4.病態生理
 ・気道から胞子が入る⇒鼻・気道・肺胞などで増殖⇒血管へ浸潤⇒血行性に播種。
 ・ketone reductaseを持ち、高血糖・酸性の条件下で増殖する
   ⇒健常人では大丈夫だが、糖尿病では感染しやすい
 ・デフェロキサミン(desferal)を服用している人も感染しやすい(透析患者など)
   ⇒デフェロキサミン-鉄のキレートがMucoralesに効率的に取り込まれてしまい、増殖促進

5.日本での頻度
 ・真菌症の3%くらい
 ・50-60%が血液悪性腫瘍あり
 ・肺病変が75%にある

6.画像所見
 ・斑状、結節状、浸潤影、気管支肺炎、大葉性肺炎、空洞、菌球、胸水貯留・・・いろいろ
 *今回の症例の様なパターンは、好中球減少症例に多い
 ・halo signもある 
 ・菌糸塊に鉄やマンガンが多いと、MRIでlow signalになることもある

7.診断
 ・痰:空洞形成⇒痰に出てくる⇒3.に書いたような菌糸があれば診断的
 ・気管支洗浄:同じ
  *菌糸が出ても培養で生えない事が多い!!
 ・β-Dグルカン:Mucoralesでは細胞壁の主要構成成分でないので、役に立たない
 ・抗原検査:臨床応用にはほど遠いらしい
 *鑑別診断
  アスペルギルス、Fusarium、Pseudallescheria、肺血栓塞栓症

8.治療
 ・基礎疾患の改善
 ・外科的処置
 ・抗真菌薬:AMPH-Bがほぼ唯一・・・

9.予後
 ・肺型の場合は死亡率80%・・・




さて、臨床上は必ずアスペルギルスが鑑別の問題になり、ほとんど鑑別できません。

以下の論文は一つの参考になると思います。

Predictors of Pulmonary Zygomycosis versus Invasive Pulmonary Aspergillosis in Patients with Cancer
Clinical Infectious Diseases 2005; 41:60–6 (米国)

Background
・Pulmonary zygomycosis (PZ)は、担癌患者で増加している感染症であり、invasive pulmonary aspergillosis (IPA)と臨床像がよく似ている。
・PZのほとんどのケースは難治性であり、抗真菌薬の投与にもかかわらず悪化する。
・現時点で、PZとIPAの臨床的な鑑別法がない。

Materials and Methods
・16例の癌+PZ症例と、29例の癌+IPAの患者の臨床情報とCT所見(感染症発症時のもの)をretrospectiveにreviewした。
・混合感染例は除外。
・単変量解析で有望なパラメーターを用いて多変量解析(logistic regression model)

Results
・hematological malignanciesが、両群のほとんど(PZで15/16、IPAで28/29例)で認められた。
・logistic regression analysisでPZを示唆するパラメーター
 〇clinical characteristics:
   concomitant sinusitis (OR, 25.7; 95% CI, 1.47–448.15; p=0.026)
   voriconazole prophylaxis (OR, 7.76; 95% CI, 1.32–45.53; p=0.023)
 〇CT所見
   多発結節影(10個以上)(OR, 19.8; 95% CI, 1.94–202.29; p=0.012)
   胸水(OR, 5.07; 95% CI,1.06–24.23; p=0.042)

  *その他のCT所見は独立した因子ではなかった
    (e.g., masses, cavities, halo sign, or air-crescent sign)

Conclusion
・担癌患者のPZは、上記所見でIPAと鑑別できるかもしれない



もっと病理と画像の勉強をしたいと思いました。

が、早く本業を仕上げねば・・・時間がない・・・
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ヨード造影剤によるアナフィラキシーの最後です。


ステロイドによる副作用予防の論文
Pretreatment with Corticosteroids to Prevent Adverse Reactions to Nonionic Contrast Media
Am J Roentogenol 1994: 162; 523-526

・対象と方法
 1988年~1991年
 3施設でOmnipaque 300投与が101例、Optiray 320投与が1054例
  (いずれも非イオン性モノマー)
 →予防投薬法を無作為に2群に分類
   ①methylprednisolone 32mgを造影剤投与の6~24時間前に投与し、2時間前にも再度投与 
   ②プラセボを同時刻に投与
 ●両群の患者のcharacteristics
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            青枠に関してはあまり効果なさそうだが、その他は少し良さそう

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            イオン性では良さげ・・・非イオン性でも良さげだが・・・

その他のステロイドによる予防に関する報告
・ステロイド不要
  [Clin Radiol 1993: 48; 225-226、Invest Radiol 1991;26:404–10.]

・イギリスでは、ステロイドを使用する/しないは半々
  [Clin radiol 1994: 49; 791-795(アンケート)]

・使用する人は半分。使用する場合は、30mgのプレドニゾロンを、造影剤使用前に1~3回投与していた。ほとんどは11時間前に投与しており、少なくとも6時間前までには投与していた。
  [Eur Raiol 2001: 11; 1720-1728 (アンケート)]

・使用すべき。
 C1エステラーゼインヒビター活性増加、アラキドン酸の産生抑制のため。
 造影剤使用12時間前に投与すべき。
  [J Allergy Clin Immunol 1991;87:867–72.]

・H1/2ブロッカーについては不明だった・・・
  
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                 *クリックで拡大

ヨード造影剤の代替法
・ガドリニウム
 60ml程度使用する必要があり、大量になるため、特に腎機能に注意が必要。

・CO2造影(血管造影などに)
 嘔気、腹痛、下肢の疼痛などの副作用あり

・MRIで代用



これでこのネタは終了。
我ながら途中で少し飽きてしまいました・・・


以下、本日たまたま読んだ記事。

「樹木希林、死意識して対面を決意 夫婦の戦いにピリオド」
「・・・死に向けて行う作業は、おわびですね。謝るのはお金がかからないから、ケチな私にピッタリなのよ。謝っちゃったら、すっきりするしね。がんはありがたい病気よ。周囲の相手が自分と真剣に向き合ってくれますから。ひょっとしたら、この人は来年はいないかもしれないと思ったら、その人との時間は大事でしょう。そういう意味で、がんは面白いんですよね。」


ちょっとジーンときました。
内面は知りえませんので、色々あったのだろうなぁ・・・と思うことしか出来ませんが。

「がん」のみならず、病気にこういう側面があることは患者さんから教えられます。
・・・もちろん、逆の側面も身をもって知っていますけれど・・・

現時点では、疾患の「受容の仕方」を一つの方向に強制する事は、医師には出来ないと思っています。

「人は生きてきたようにしか死ねない」と、研修医1年目のときの上司が言っていました。
苦手な上司で、よくぶつかっていましたが(今思えばこちらから一方的に・・・スミマセン)、その通りなのかもしれないと思うことが時々あります。


徒然でした。
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by tobbyK | 2009-02-20 17:29 | 検査

 ヨード造影剤の続きです。


ヨード造影剤によるアナフィラキシー発現の機序     
 クリックで拡大  オリジナルの図ですので、あまり参照されない方が・・・
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頻度
・入院患者の薬剤アレルギーのトップ10に常にランクイン。
  [Pharmacoepidemiol Drug Saf 1998;7:269–74.]

・造影剤によるアナフィラキシー発生率;
 高浸透圧造影剤(イオン性)で10万対71
 低浸透圧造影剤(非イオン性)で10万対35
  [Pharmacoepidemiol Drug Saf 2003;12:195–202.]

日本での調査報告あり
Adverse Reactions to Ionic and Nonionic Contrast Media: A Report from the Japanese Committee on the Safety of Contrast Media
 Radiology 1990; 175:621-628

・対象
 1986~1988年
 日本の198施設・352817例を対象
 検査・・・Urography、造影CT、digital subtraction angiography (DSA)

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その他の報告から
常用薬によるリスク上昇
・βブロッカー・・・3倍
  [Ann Intern Med 1991: 115; 270-276、Arch Intern Med 1993;153:2033–40.]
・NSAIDs、アスピリン
  [Br Med J 1998: 316; 997-999, 1511-1514]
・IL-2・・・遅発性のcapillary leak syndromeの報告
  [Am J Roentogenol 1991: 156; 833-834]

その他のリスク因子
・女性
  [J Allergy Clin Immunol 1995;95:813–7.]
・一旦アナフィラキシーが起こると、男性の方が死亡率が高い
  [Pharmacoepidemiol Drug Saf 1998;7:269–74.]
・人種・・・インド系と地中海系の人は、白人より多かった
  [Invest Radiol 1980;15:S32–S39.]
・悪性腫瘍・・・腫瘍自体のヒスタミン遊離効果
  [Inflamm Res 1999;48(Suppl. 1):S47–S48.]





 ・・・長くなってきたので今回はここまで。
   次回、副作用予防法について少しだけ。



 
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by tobbyK | 2009-02-19 20:02 | 検査

ヨード造影剤の副作用のうち、腎障害については以前ブログに書きました。

今回はアナフィラキシーについて書きたいと思い、2年前くらいの抄読会ネタを振り返ったら「造影剤のおさらい」をしていたので、まずそれを書きます。


1.造影剤とは
・CT/MRIなどで、周囲組織とのコントラストをつけるために用いる。血管内に投与するため、血管/血流の多い部位が造影効果を認める。
・周囲より吸収値が高くなる「陽性造影剤」と、吸収値が低くなる「陰性造影剤」がある。

・X線用造影剤の種類
 陰性造影剤:空気、酸素、炭酸ガスなどの気体
 陽性造影剤:硫酸バリウム、ヨード造影剤

・CTに多く用いるヨード造影剤は、モノマー型/ダイマー型、イオン性/非イオン性で、以下の4つに分類される。
 イオン性モノマ-(ionic monomer)
 イオン性ダイマ-(ionic dimer)
 非イオン性モノマ-(nonionic monomer)
 非イオン性ダイマ-(nonionic dimer)

・モノマーとダイマー
*モノマー型
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・有機ヨード化合物であり、その基本的な化学構造はベンゼン環を持ち、その六角のうち3か所にそれぞれヨード原子を結合させ、残りの3か所に水溶性にするための基や側鎖を結合した構造である。この構造がモノマー型(monomer、単量体)である。

*ダイマー型
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・1分子中のヨ-ド含有率を高めるなどの目的で、トリヨードベンゼン環を2個連結させ、1分子中に6個のヨード原子を含む造影剤の構造がある。この構造がダイマー型(dimer、2量体)である。

⇒ダイマー型の方がヨード含有率が高く、モノマーの半分の濃度で同等の造影効果を得ることが出来るため、浸透圧を低くすることが出来る

・イオンと非イオン
*イオン性
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・ヨ-ド原子以外の1部位に酸性のカルボキシル基(-COOH)を結合させたもの。
・アルカリ性溶液中でイオン化して良く溶ける。これは食塩がイオン化(Na+Cl-)して水に良く溶けるのと同じ原理である。
・この種の造影剤はカルボキシル基を有することから、アミドトリゾ酸やイオタラム酸など慣用名に通常「酸」がつく。

*非イオン性
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・ヨード以外の位置に水酸基(-OH)を多く含んだ側鎖(アミノアルコ-ル類)を結合させ、水素結合により水溶性としたもの。
・砂糖がイオン化しないで水に良く溶けるのと同じ原理。
・この種類の造影剤はアルコ-ル類の側鎖を有することから、慣用名はイオパミド-ルやイオヘキソ-ルなどのようにエタノ-ルと同様に通常語尾にアルコ-ルを表わす「-ol」がつき、一般名からイオン性と非イオン性を区別する場合に参考となる。

⇒浸透圧の差が大きい。イオン性造影剤の浸透圧は血液の6倍以上。非イオン性造影剤は、ヨ-ド含有率が300、370mg/mlの製剤でも血液の約3倍程度で、ヨ-ド含有率が140、180mg/mlと低い製剤では、血液の浸透圧に近い。

*ヨード造影剤の種類*
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2.ヨード造影剤の毒性の分類
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次回は造影剤によるアナフィラキシーについて。
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by tobbyK | 2009-02-17 15:13 | 検査

IPネタ続きですみません。目についたもので。

喫煙関連肺疾患といえばDIP、RB-ILD、気腫、Langerhans cell histiocytosis、肺癌、そしてIPF(これは△くらいらしいですが)などでしょうか。

今回は、喫煙がNSIPの原因でもあるのではないか?という論文。


Non-specific interstitial pneumonia in cigarette smokers: a CT study
European Radiology(e-pub) (ドイツ+NZ+英国)

Purpose
・喫煙はNSIPの原因だろうか?検討する。

Materials and Methods
・対象(* NSIPは全例病理診断)
 ① current smoker+NSIP 10人
 ② ex-smoker+NSIP 8人
 ③ current smokerでIPなし 137人
 ④ non-smoker+NSIP 11人

・検討項目
 ①と②の症例(=smoker NSIP)において、肺気腫の存在率と進展を検討
  ⇔③の症例なかで、
    COPDの診断基準を満たす人34例(group A control)
    COPDの診断基準を満たさない人103例(group B control)   と比較
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        *NSIP+気腫?の例

Results
・肺気腫の存在率
 ①+②の症例(smoker NSIP):14/18 (77.8%)に存在
 ⇒group A controlでは(25/34, 73.5%)に肺気腫あり→差はなかった
  group B controlでは(18/103, 17.5%)に肺気腫あり、少ない
   →①+②と比較し有意差あり(P < 0.0005)

・smoker NSIPとnon-smoker NSIPのCT所見の違い
 crazy-paving pattern(敷石状陰影)がnon-smoker NSIPで多く、
 smoker NSIPでは少なかった

・重回帰分析では、
 NSIPだと、肺気腫のlikelihoodは増加
   (OR = 18.8; 95% CI = 5.3–66.3; P < 0.0005)
 高齢でも肺気腫のlikelihoodは増加傾向
   (OR = 1.04; 95% CI = 0.99–1.11; P = 0.08).

Conclusion
・肺気腫は「smoker+NSIPの患者」でも、「smoker+COPD」の患者でも、同程度の頻度で認められる
⇔上記患者と「healthy smoker」を比較すると、上記患者群で肺気腫が非常に多い
・smokerとnon-smokerのNSIPでCT所見が異なる

⇒上記より、喫煙がNSIPの何らかの病因である可能性がある。


喫煙による炎症が原因、肺気腫とNSIPを同時に起こすような遺伝的素因、環境要因などなど、仮説が書いてありました。

流し読みですが、なんかこう、イマイチでした。

だいたい間質性肺炎の病理がどこまで当てになるのか、常に疑問です・・・
 (病理の先生、スミマセン)

経過まできちんと追いかけて判断できるのは呼吸器科医だけの特権だと思います。
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久しぶりに一日完全フリーの土曜日。


南風で暖かくなった外で、子供としっかり遊ぶ。

今日娘から初めて貰ったバレンタインのプレゼントは、葉っぱと石ころでした。

ありがとう。


昼食は行きつけのうどん屋で。やっぱり美味しい。

こういう一日は自分にとって本当に大切だと思いました。


さて、CDを聴きながら仕事再開。

長見順さんのギターが沁みます。

澄んでいて、かつ、哀愁があります。
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by tobbyK | 2009-02-14 22:39 | 徒然