カテゴリ:サルコイドーシス( 3 )


ちょっと気になった論文。過去に診た患者さんたちはどうだったのであろうか・・・

Elevated 1, 25-dihydroxyvitamin D levels are associated with protracted treatment in sarcoidosis
 Respiratory Medicine, Volume 104, Issue 4, Pages 564-570

Background
・活性型のvitamin D代謝産物である1, 25-dihydroxyvitamin Dは、生来のおよび後天性免疫に対する多形性の効果を持つ。
・Sarcoid granulomaから分泌される1, 25-dihydroxyvitamin Dは高カルシウム血症をもたらすが、1, 25-dihydroxyvitamin Dとサルコイドーシスの臨床的なphenotypeの関連は今の所検討されていない。

Objective
・血清の1, 25-dihydroxyvitamin D値とサルコイドーシスの"chronicity(慢性度)"を検討する。

Design
・血清の1, 25-dihydroxyvitamin D値を測定し、サルコイドーシスの活動性やphenotype("Sarcoidosis Severity Score"と"Sarcoidosis Clinical Activity Classification"により評価した)との関連を検討する。

Results
・59例の症例が対象
 うち、44%がsub-acute onsetで、chronic disease phenotypeであった
・血清1, 25-dihydroxyvitamin D値は;
 レントゲンによるステージ分類との相関なし(p = 0.092)
 Sarcoidosis Severity Scoreとの相関なし(r = −0.16; p = 0.216)
 「繰り返す、もしくは1年以上の免疫抑制剤投与の必要性」との関連があった(SCAC Class 6).
・血清1, 25-dihydroxyvitamin D値のquartileが1つあがると、chronic phenotypeであるオッズが増加 (OR 1.82, 95% CI, 1.11, 2.99, p = 0.019)
・ >51 pg/mLを呈した症例の71%が長期治療を要した(SCACでclass 6とされる)

Conclusions
・サルコイドーシスでは、血清の1, 25-dihydroxyvitamin D値が増加している場合、長期の治療が必要になる可能性がある。



-徒然-

一家で新しい生活に突入。
呼吸器臨床はやっぱり面白いです。
知識のアップデートがもっと必要。
思い出さなければならんことも山ほど・・・

しかし、今週の木曜日から国際シンポジウムのための米国出張があり、
スライドと原稿をこれから寝ないで仕上げなければなりません。
しかし、病棟には不安定な患者さんが・・・
明日は外来だし・・・
出張から戻ってもすぐに仕事で、
その週末は当直・・・

気合だけ、です。
後で倒れないようにしないと。
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サルコイドーシスは発癌のリスクである、らしい。
医中誌見たら一例報告は色々あるが・・・



Cancer risk in hospitalized sarcoidosis patients: a follow-up study in Sweden
Annals of Oncology Advance Access published online on February 11, 2009 (スウェーデン)


Background
・Sarcoidosis患者は免疫異常があるため、発癌のリスクが高い可能性がある。

Materials and Methods
・スウェーデンの病院に入院したsarcoidosis患者のデータベースから検討。
・発癌のStandardized incidence ratios (SIRs) を、sarcoidosis患者とそうでない患者から計算。

Results
・10037例の入院したサルコイドーシス患者うち、1045例が発癌
 ⇒ overall SIR;1.40
    2年目以降のフォロー中での発癌のSIR;1.18

・多かった癌;
 皮膚癌 (squamous cell)
 腎腫瘍
 甲状腺以外の内分泌腫瘍
 non-Hodgkin's lymphoma
 白血病

・入院回数の多い患者ほど高リスクだった。

Conclusion
・サルコイドーシスによる最初の入院後1年以内での発癌が多い。
・入院回数が多い場合は、上記の種類の癌に注意すべき。



サルコイドーシスの発癌例は未経験。
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サルコイドーシスでこのような検討をされたのは、初めて見ました。
思い当たる節が・・・

Quality of life, anxiety and depression in Sarcoidosis
General Hospital Psychiatry 2008; 30(5): 441-445 (イタリア)

Background
・サルコイドーシス患者のQOLと精神疾患について検討する

Materials and Methods
・シエナ大学(イタリア)のサルコイドーシスセンターを受診している、外来患者80例で調査

Results
・44%の症例は、DSM-IVの第1軸(精神科疾患)の少なくとも1つ以上の診断基準に該当
 大うつ病性障害…25%  
 パニック障害…6.3%
 双極性障害…6.3%
 全般性不安障害…5%
 強迫神経症…1.3%
・FEV1とFVCは、Quality of Life Enjoyment and Satisfaction Questionnaire (Q-LES-Q)のいくつかのドメインと相関した
・多系統の障害を有する、astheniaがある、レントゲン画像でhigh stage、ステロイド投与を受けている、等の場合において、QOLがより低かった

Conclusion
・サルコイドーシスは精神疾患の合併が多く、QOLが低い
・より多くのサルコイドーシス患者において、精神科やカウンセリングへの相談を行うべきである

感想
最近健常人でもうつ病が多いっていうから、このくらいのデータは当たり前か?
イタリア人だしなぁ・・・それでも、思い当たる節はやっぱりある。
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