Gefitinibの1st line
原発性肺腺癌のEGFR遺伝子変異が陽性であれば、gefitinibが1st lineで良いかも知れません。
Gefitinib or Carboplatin-Paclitaxel in Pulmonary Adenocarcinoma.
NEJM August 19, 2009 (香港)
Background
・過去の報告から、非小細胞肺癌(NSCLC)の特定の患者群に対してはgefitinibのfirst-line treatmentが有効と考えられる。
Methods
・phase 3, open-label study
・前治療歴のない進行肺腺癌で、非喫煙者もしくは少量の既喫煙者
・無作為に、
①gefitinib (250 mg per day) …609例
②carboplatin (AUC 5 or 6 mg/ml/min)+paclitaxel (200 mg/m2)… 608例
・primary end point:progression-free survival.
Results
・12ヶ月でのprogression-free survival率
gefitinib:24.9% ⇔ carboplatin-paclitaxel:6.7%
・当初の目的であったgefitinibの非劣勢を示したのみならず、有意に良好な結果であった
⇒ ITT解析で、progression-free survivalが良好
HR for progression or death, 0.74; 95%CI, 0.65 to 0.85; P<0.001
・261例のEGFR遺伝子変異陽性患者のsubgroupでの検討
⇒ progression-free survivalはgefitinib群で非常に長い
HR for progression or death, 0.48; 95%CI, 0.36 to 0.64; P<0.001
・176例のEGFR遺伝子変異陰性患者のsubgroupでの検討
⇒ progression-free survivalはcarboplatin-paclitaxel群の方が長い
HR for progression or death with gefitinib, 2.85; 95%CI, 2.05 to 3.98;
P<0.001
・gefitinibの副作用で多かったもの
皮疹やざ瘡 (in 66.2% of patients)
下痢 (46.6%)
・carboplatin-paclitaxelの副作用で多かったもの
神経障害 (69.9%)
好中球減少 (67.1%)
脱毛 (58.4%)
Conclusions
・Gefitinibは東アジア人・非喫煙者もしくは軽い既喫煙者・肺腺癌に対しては、1st lineの治療法としてcarboplatin-paclitaxelより優れていた
・EGFR遺伝子変異陽性であれば、gefitinibの効果が強く見込まれる
こういう内容のstudyは日本でもやっていたと記憶していますが、そちら方面の知識をアップデートしていないので不確かです。今度詳しい人に聞いて確認したいと思います。
-徒然-
最近読んだ本
下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 内田 樹
結構売れた本だそうですが、私には全くリアリティを感じることが出来ませんでした。
私は、若くして無職だったり生活保護だったりする患者さんをしょっちゅう診ていますし、
現在無職の幼馴染も数名います(いわゆるニートも)。
私が普段彼らと話して感じるものと、この著者の仮説は全く異なります。
話としては面白いのですが、、、
感想は二言。
「本当?」 と 「で ?」
最近読み直した本
思考の整理学 外山 滋比古
最近また売れているとのこと。
私は数年前に読みました。
面白いし、読んだ後に「勉強しよう」という気になる本です。