ヨード造影剤のおさらい


ヨード造影剤の副作用のうち、腎障害については以前ブログに書きました。

今回はアナフィラキシーについて書きたいと思い、2年前くらいの抄読会ネタを振り返ったら「造影剤のおさらい」をしていたので、まずそれを書きます。


1.造影剤とは
・CT/MRIなどで、周囲組織とのコントラストをつけるために用いる。血管内に投与するため、血管/血流の多い部位が造影効果を認める。
・周囲より吸収値が高くなる「陽性造影剤」と、吸収値が低くなる「陰性造影剤」がある。

・X線用造影剤の種類
 陰性造影剤:空気、酸素、炭酸ガスなどの気体
 陽性造影剤:硫酸バリウム、ヨード造影剤

・CTに多く用いるヨード造影剤は、モノマー型/ダイマー型、イオン性/非イオン性で、以下の4つに分類される。
 イオン性モノマ-(ionic monomer)
 イオン性ダイマ-(ionic dimer)
 非イオン性モノマ-(nonionic monomer)
 非イオン性ダイマ-(nonionic dimer)

・モノマーとダイマー
*モノマー型
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・有機ヨード化合物であり、その基本的な化学構造はベンゼン環を持ち、その六角のうち3か所にそれぞれヨード原子を結合させ、残りの3か所に水溶性にするための基や側鎖を結合した構造である。この構造がモノマー型(monomer、単量体)である。

*ダイマー型
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・1分子中のヨ-ド含有率を高めるなどの目的で、トリヨードベンゼン環を2個連結させ、1分子中に6個のヨード原子を含む造影剤の構造がある。この構造がダイマー型(dimer、2量体)である。

⇒ダイマー型の方がヨード含有率が高く、モノマーの半分の濃度で同等の造影効果を得ることが出来るため、浸透圧を低くすることが出来る

・イオンと非イオン
*イオン性
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・ヨ-ド原子以外の1部位に酸性のカルボキシル基(-COOH)を結合させたもの。
・アルカリ性溶液中でイオン化して良く溶ける。これは食塩がイオン化(Na+Cl-)して水に良く溶けるのと同じ原理である。
・この種の造影剤はカルボキシル基を有することから、アミドトリゾ酸やイオタラム酸など慣用名に通常「酸」がつく。

*非イオン性
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・ヨード以外の位置に水酸基(-OH)を多く含んだ側鎖(アミノアルコ-ル類)を結合させ、水素結合により水溶性としたもの。
・砂糖がイオン化しないで水に良く溶けるのと同じ原理。
・この種類の造影剤はアルコ-ル類の側鎖を有することから、慣用名はイオパミド-ルやイオヘキソ-ルなどのようにエタノ-ルと同様に通常語尾にアルコ-ルを表わす「-ol」がつき、一般名からイオン性と非イオン性を区別する場合に参考となる。

⇒浸透圧の差が大きい。イオン性造影剤の浸透圧は血液の6倍以上。非イオン性造影剤は、ヨ-ド含有率が300、370mg/mlの製剤でも血液の約3倍程度で、ヨ-ド含有率が140、180mg/mlと低い製剤では、血液の浸透圧に近い。

*ヨード造影剤の種類*
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2.ヨード造影剤の毒性の分類
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次回は造影剤によるアナフィラキシーについて。
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by tobbyK | 2009-02-17 15:13 | 検査