【JW】重症COPDに対するボセンタンの効果
COPDの肺高血圧に対して、ボセンタンは効果があるか?というもの。
A randomised, controlled trial of bosentan in severe COPD.
Eur Respir J. 2008 Sep;32(3):619-28. (スイス)
Background
・ボセンタン(トラクリア錠)は、肺動脈性肺高血圧症の重症者に適応がある。
・COPDにおける二次性肺高血圧症は安静時の計測ではそこまでひどくないが、運動時に悪化する。
・ボセンタンで肺高血圧を伴うCOPDのADLを改善できるんじゃないか?
Materials and Methods
定式化
P:GOLD3-4のCOPD30名(治療をしても症状ありの人)に対し、
E:bosentanの投与(62.5mg×2/日を2週間、次に125 mg×2をのこり、トータル12週間)は、
C:プラセボと比較し(=2:1で割り付け)、
O:
・primary end-point
6分間歩行距離
・secondary end-point
health-related quality of life、肺機能、心血管血行動態、
最大酸素摂取量・肺血管潅流パターン(SPECTで測定)
Results
・6分間歩行距離 …改善なし(6分間歩行距離: 331±123 vs 329±94 m)
・肺機能、肺動脈圧、最大酸素摂取量、肺血管潅流パターン…変化なし
・ボセンタン群で、動脈の酸素分圧は低下、A-aDO2は増加、QOLは悪化
Conclusion
・投与してもあまりいいことない
理屈から言えばその通りの気がします。
周囲の肺が機能しないのであれば、そこの血流を改善しても意味がない・・・
それどころか、症状を悪化させてしまう恐れがありますよね。