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結核の画像 その③ Reactivation TB

2. Reactivation TB
①Focal pulmonary TB
②Tuberculosis lobar pneumonia and bronchopneumonia
③Endobronchial TB
④Tuberculoma formation
⑤Miliary TB

①Focal pulmonary TB
・初期の像

・patchy subsegmental consolidation, with ill-defined margin
 consolidationは末梢優位であり、air-bronchogramは見えない事が多い
 周囲のsatellite fociとの融合傾向あり
  → "tree-in-bud appearance(つぼみ徴候)"
     経気道生散布を示す所見で、活動性を示唆する
・上葉の後ろの方(S1とS2)とS6が好発部位
 → とはいえ、侵されない部位はない [Chest 1974;65:522]
・周囲の胸膜肥厚を伴う事も多い
・空洞形成あり
 → reactivation TBの特徴的な所見
   活動性が高いことも示唆する所見
   小病変も空洞化することがあり、多発空洞影が認められる事がある
   感染性が高い所見であり、レントゲン所見のみで隔離も考慮すべき
   内部のfluid-levelは、空洞を見つける手がかり(あまりない所見だが・・・)
   *肺尖部のブラを空洞と間違えることがある
     →consolidation内部に空洞が生じることを忘れない

・経過
 抗結核薬を投与しなくても、治癒する時は周囲の肉芽や線維化により、病巣が包まれる
 結核薬がなかった時代は、この経過が長期に観察されていた
   → 抗結核薬により、この変化が速くなった
 治癒の所見・・・浸潤影の境界がはっきりしてくること
           周囲肺の線維化→線維化は、fissureや血管の変移で分かる
           内部の気管支拡張が生じる
           石灰化
           fluid-levelの消失
           空洞は消失するか、内部の壁がスムーズになる

②Tuberculosis lobar pneumonia and bronchopneumonia
・肺葉~全肺にconsolidatonを生じることがあり、その内部に空洞を生じる事もある
 経気道性の播種によるものと考えられ、空洞と、その他の部分に小病変があることが多い
 どこかの線維・石灰化病変のbreakdownによる場合、肺内に石灰化が認められる
 両側に生じ、通常侵されない部位(上葉の前区域、中葉など)が侵される
 初期には空洞は少ない

・宿主の免疫低下も予想される
 免疫不全患者の場合、致死的となる

・経過
 通常の重症肺炎と比較し、ゆっくりした経過

③Endobronchial TB
・結核病巣が太い気管支(区域気管支レベルまで)に及ぶか、そこに生じた場合
・これらの病変による肉芽・線維化→牽引・癒着→気道閉塞→無気肺が生じる
                           [RadioGraphics 2001;21:839]
 無気肺になると、病巣が分からないこともある

気管支結石
 結核とヒストプラズマの興味深い後期合併症
          [Radiology 1978;128:295, RadioGraphics 2002;22:S199]
 石灰化リンパ節が付近の気管支に侵食し、喀血や肺炎を起こす
  → 通常は無気肺を起こすが、air-trppingの症例も
 石灰化が気管内に存在するのを見逃さない
  特に亜区域枝以降では見逃しやすい
  CTでよく分かる            [JCAT 1983;7:321]
  以前見られていた石灰化が消失し、retrospectiveに分かる場合もある
 気管支鏡で除去する場合も
 稀だが、石灰結節を喀出する場合もある

④Tuberculoma formation
・結核の活動性と、免疫のバランスがとれた状態

・孤立した腫瘍様の結核病変
 境界明瞭なことがほとんど
 一部不整になることがあり、それは線維化のため
 多発性のこともある
 最大で5cmになることも → 長期観察で、大きくなることもある
 中心部の乾酪部に石灰化を生じることがある ⇔ 石灰化がなく内部均一のことも
   石灰化は板状、斑状、点状
 Tuberculomaは破綻することが少なく、空洞を生じる事は少ない
   空洞化は、reactivationを示唆する
 FDG-PETではup-takeがあることが多く、肺癌との鑑別は難しい
                         [Radiology 2000;216:117]

⑤Miliary TB
・血行性の播種による
・稀だが、fatal
・primary/reactivation TBのいずれでも生じうる

・無数の2-3mmの肉芽病巣がランダムに分布
 サイズも均一、肺内での偏りもない
 ランダムだが、2次小葉に関連した分布を示す
        [JCAT 1994;18:862, JCAT 1999;23:99]
 すりガラス状陰影がmiliary patternに重なる症例も
  → ARDSの報告もある        [JCAT 1998;22:220]
 71例のMiliary Tbのレビューでは、1/3の症例の胸部レントゲンは正常
                         [Chest 1996;110:339]
 25例のcase series studyでは、24例は肺のHRCTで病変を指摘できた
                         [JCAT 1998;22:220]
 *このような画像パターンの鑑別はたくさんあるが、まずこの疾患を思い出すべき

・経過
 治癒過程で石灰化を残さない


---次回は胸膜炎や活動性の評価など

粟粒結核が間質性肺炎にしか見えず(すりガラス状陰影が広かった)、気管支鏡検査で分かった症例を思い出しました。
比較的元気な中年女性の症例だったので、膠原病の方を考えていた・・・
ステロイド行かなくてよかった。。。